2020年国勢調査ではデータの収集方法が改善され、アジア系アメリカ人の自己認識をより正確に把握できるようになりました
米国国勢調査局は、変化し続ける米国の人口動態に関する詳細な情報を提供するために、2020年国勢調査のデータを引き続き発表しています。
4月に発表された議席割当数に関するデータから8月の選挙区割り改定に関するデータまで、2020年国勢調査の各データ群の公表に伴い、アジア系アメリカ人コミュニティに関する洞察が徐々に明らかになっています。
2020年国勢調査の選挙区割りデータの結果によると、アジア系の人口増加が顕著であることがわかります。
2,400万人以上(全人口の7.2%)が、自分を「100%アジア系またはアジア系を含む多人種」だと捉えています。
「100%アジア系」とは、アジア人とだけ回答し、他の人種を回答しなかった人を指し、「100%アジア系またはアジア系を含む多人種」とは、他の人種を選んだかどうかにかかわらず、アジア人と答えた回答者を指します。
100%アジア系の人口は、2010年から2020年の間に35.5%増加しました。
「100%アジア系」と回答した人は、2010年には1,470万人(4.8%)だったの対し、2020年の調査では約1,990万人(全体の6%)に増加しています。
これに対し、「アジア系を含む多人種」の人口は55.5%増加しました。
「アジア系を含む多人種」だと回答した人は、2010 年の時点では 260 万人だったのに対し、2020 年には約 410 万人に増加しています。
アジア系と白人の混合を選択した人は約 270 万人で、アジア系人口の中で最大の多人種グループとなります。
「100%アジア系またはアジア系を含む多人種」と回答した人口の割合が最も高い州は、ハワイ、カリフォルニア、ワシントン、ネバダ、ニュージャージー、ニューヨーク、バージニア、アラスカ、マサチューセッツ、メリーランドです。
「100%アジア系またはアジア系を含む多人種」の人口増加率が高い上位10州は、ノースダコタ、サウスダコタ、ネブラスカ、コロンビア特別区、ノースカロライナ、インディアナ、テキサス、サウスカロライナ、モンタナ、ユタです。
これらの新しいデータには、人口の変化、国勢調査の質問方法や回答の収集方法ならびにコーディングの改善が反映されています。
国勢調査の調査プロセスは、その時々の社会的、政治的、経済的要因を反映するために、ほぼ10年ごとに毎回変更されています。
国勢調査局人口部人種統計課のレイチェル・マークス課長は、「2020年国勢調査では、過去10年間にわたる調査に基づき、人種に関する質問の仕方をいくつか改善しました」と述べています。
「主な変更点として、『白人』と『黒人またはアフリカ系アメリカ人』の人種カテゴリーに専用の記入欄と記入例を追加し、『アメリカンインディアンまたはアラスカ原住民』の人種カテゴリーに記入例を追加しました。
また、『アジア系、ハワイ原住民、その他の太平洋諸島民』のカテゴリーでは、選択肢のチェックボックスを人口の多い順に並び替えました。
さらに、『ハワイ原住民、その他の太平洋諸島民』カテゴリーでは、フィードバックや調査に基づき、チェックボックスを「グアマン系またはチャモロ系」から「チャモロ系」に変更しました」。
今回の変更により、人々がどのように自己を認識しているかをより詳細かつ正確に把握できるようになりました。
アジア系とハワイ原住民または太平洋諸島民のチェックボックスは、人口順になるように、以下のように並び替えました。
中国系、フィリピン系、インド系、その他のアジア系(パキスタン系、カンボジア系、モン族など)、ベトナム系、韓国系、日系、ハワイ原住民、サモア系、チャモロ系、その他の太平洋諸島民(トンガ系、フィジー系、マーシャル系など)。
このような詳細な情報をより頻繁に国民に提供するため、従来は10年に一度、長編の国勢調査用紙を用いて収集されていたデータが、今後はアメリカン・コミュニティ・サーベイ(ACS)を通じて毎年発表されます。
さらに、国勢調査局は以下のようなデータ情報も公表しています。
「人口統計および住宅の特性に関するファイル」(DHC)および「人口統計および住宅の特性に関する詳細ファイル」(DHC詳細版)
国勢調査局人口部の人種・民族調査・アウトリーチ担当ディレクター兼シニアアドバイザーのニコラス・ジョーンズ氏は、「国勢調査局では、2020年国勢調査結果から読み取れるさまざまなデータ情報を今後も公開していく予定です」と述べ、こう続けました。
「DHC詳細版には、人種に関する詳細な表が含まれており、中国系、韓国系、タイ系、ベトナム系、インド系など、アジア系グループの詳細データを入手することができます」。
たとえば、性別や年齢、世帯や家族の形態、住まいの所有権(持ち家か借家か)などの項目別に人口統計および住宅の特性を把握することができます。
「国勢調査は、国勢調査局が実施するものでも、皆さんにしてあげるものでもなく、アメリカに住む人全員が参加するものです」と国勢調査局マイケル・クック広報室長は述べています。
「それには大変な労力が伴います。全米のあらゆるコミュニティに国勢調査を実施する価値や重要性を理解してもらうために、私たちは多くのパートナーの協力を得て取り組んでいます」。
詳しい情報については、census.gov/2020resultsをご覧ください。
2020年国勢調査からわかる人口分布と人口変化に関するAmerica Countsの記事
https://www.census.gov/library/stories/2021/08/more-than-half-of-united-states-counties-were-smaller-in-2020-than-in-2010.html
人種と民族についての質問方法の改善に関するAmerica Countsの記事
https://www.census.gov/library/stories/2021/08/improved-race-ethnicity-measures-reveal-united-states-population-much-more-multiracial.html
2020年国勢調査の選挙区割り改定に関するプレスキット(America Countsの全記事や他のリソースを含む)
https://www.census.gov/newsroom/press-kits/2021/2020-census-redistricting.html
国、州、郡別の人種と民族に関するデータ
https://www.census.gov/library/visualizations/interactive/race-and-ethnicity-in-the-united-state-2010-and-2020-census.html
2020年国勢調査の選挙区割り改定データ(国勢調査ブロック単位で表示)
https://data.census.gov/cedsci/all?q=redistricting
集計後調査プレスキット
https://www.census.gov/newsroom/press-kits/2021/post-enumeration-survey.html