2020年11月11日
ニューヨーク発!日本短編映画祭
開催:2020月11月20日(金)〜 22日(日)
今年で9年目を迎える「日本」をテーマにしたインディペンデント短編映画祭、ニューヨーク・ジャパン・シネフェスト(以下NYJCF)が、11月20日(金)から11月22日(日)まで、設立後初となるオンライン開催する。
今回は公募3作品を含める短編映画14作品を上映、主催:マークリエーション、後援、技術提供:CYBER-NY、パートナー:日本広報情報センター(在アメリカ合衆国日本国大使館)、協力:札幌国際短編映画祭、あいち国際女性映画祭、門真国際映画祭。
新型コロナウイルスの影響により、世界中の映画祭はオンライン開催を余儀なくされている。
集客、対人が困難となった現在、NYJCFは例年の6月から5ヶ月遅れてのオンライン開催に踏み切った。
新しい映画祭の在り方を熟考した上で、ウィズコロナでも継続的に活動していけるプラットフォームLOGIC (技術提供: CYBER-NY)を導入してのオンデマンド上映となる。
パンデミック。暗闇を手探りで進むような状態から見出した「光」。
今回はそんなテーマを掲げ、ドキュメンタリー、ドラマ、アニメーションなど厳選された珠玉の短編14作品を紹介する。
4千万の視聴回数を記録したYouTube短編映画『ハロー!ブランニューワールド』、日本の食育に着眼した『Nourishing Japan』、「賢くなるパズル」の発明者を追う『宮本哲也と賢くなるパズル』、中年男性が女性として生きる『The Butterfly』、アイヌ語に魅せられた男性が主人公の『ラメトッコㇿ ヤン』、暗黒の縁で神秘的な世界を描く『マカリス』、高校生の物語で視覚の色彩美で彩った『おかえり、カー子』など。
NYJCFはニューヨークを拠点に活動する3人の日本人、鈴木やす(俳優・映画監督)、古川康介(映像作家)、河野洋(イベント・音楽プロデューサー、Mar Creation, Inc.代表)が2012年に設立。
2015年シーズン以降は、ボストン、DCメトロポリタン周辺・米国各都市での巡回上映に加え、日本の映画祭(あいち国際女性映画祭、札幌国際短編映画祭、門真国際映画祭、新人監督映画祭、ショートショートフィルムフェスティバル)とのコラボレーションも行ってきている。
9年目の本年は、巡回上映が困難になった為、オンライン上映を継続的に行っていく。
11月は秋田県、12月はボストンでの開催が予定されている。
開催:2020年11月20日(金)~11月22日(日)
場所:オンライン
参加:無料(寄付推奨)
フェスティバルサイト
公式ウェブサイト
【上映作品】
1. おかえり、カー子 (湯浅典子 | ドラマ| Japan | 2020 | 15’02”)
2. 氷の農夫たち (伊納達也 | ドキュメンタリー| Japan | 2020 | 3’22”)
3. 記憶の灯 (野上鉄晃|ドラマ| Japan | 2019 | 28’19”)
4. BOZE (望月冬子|ドキュメンタリー| Japan | 2019 | 14’26”)
5. 歩く魚 (テッサ・マイヤー|ドラマ| Japan | Netherlands | 2018 | 18’59”)
6. ラメトッコㇿ ヤン (山田裕一郎|ドキュメンタリー| Japan | 2019 | 10’03”)
7. マカリス (山本康士|ドラマ| Japan | 2019 | 34’25” )
8. The Buttefly (深田志穂|ドキュメンタリー| Japan | 2019 | 11’20”)
9. 20dB (西山裕之|ドラマ| Japan | 2020 | 14’43”)
10. たこやきストーリー (冠木佐和子|アニメーション| Japan | 2018 | 1’35”)
11. 宮本哲也と賢くなるパズル (ダン・サリバン|ドキュメンタリー| USA | 2019 | 39’22”)
12. オレゴンの空の侍 (イラーナ・ソル|ドキュメンタリー| USA | 2019 | 48’16”)
13. ハロー!ブランニューワールド (竹林亮 ドラマ、YouTube | Japan | 2019 | 18’52”)
14. Nourishing Japan (アレクシス・アリアーナ・サンボーン | ドキュメンタリー | USA | 2019 | 23’59”)
【あらすじ】
おかえり、カー子
詩織は先天的に赤色と緑色が識別できない。すべてが茶色に見える。
人と同じ色を感じられない苛立ちは、詩織の高校生活を無意識に冷めさせた。
そんなある日、友人の由実が写真を撮ったその一瞬だけ白く薄汚れた花びらが“赤く”輝いたのだった。
なぜこの花びらだけが赤く輝くのか。詩織は運命に引っ張られるように『恋』に引っ張られるかのように舞う花びらを追いかける。
脱色された無数の花びらは、鼓動のように赤く脈打つ。
詩織は戸惑いながら花びらを追い、そして、走る。
詩織がその先に見たものは、『本物の、赤』。
それは運命だった。
氷の農夫たち
栃木県、日光。日光連山から湧き出る天然水を池に張り、それを自然の寒さで凍らせることで氷を作っているのが四代目徳次郎。
昔ながらの氷づくりの技法で、なぜ今も氷を作り続けるのか?自らのことを「ice farmer」と呼ぶ彼の信念とは?
記憶の灯
幼い頃、家族に見放された健人。
施設で過ごした健人は、小学生になり、南島原市に住む久子の元へ引き取られる。
そして、南島原市の転校先の小学校で、一人の少女(綾乃)に出会う。
健人は、綾乃やこの街の人々と触れ合い、ある出来事をきっかけに、少しずつ心が再生していく。
BOZE
奄美大島と鹿児島の間に浮ぶ、人口わずか82人の悪石島。
過疎化が進むこの島には、年に一度悪魔祓いの異形の神「ボゼ」が訪れる。島では強くたくましい青年が「ボゼ」を被る習わしだ。
しかし今年のボゼ役の青年コウキには、心を閉ざしていた過去があった。
歩く魚
夢を追い求めて人間の世界に加わる野心的な海の生き物(ムツゴロウ)の物語。
ムツゴロウは人間の女の子に変身し、睦美と名付けられる。睦美は「完璧な女」になることに執着する。
彼女の執着心は満足することができるのか。
ラメトッコㇿ ヤン
2009年にアイヌ語はユネスコによって「消滅危機言語」と指摘された。
すでにアイヌ語を母語として話せる人はいない。関根健司は、アイヌの里として知られる北海道平取町二風谷で、子どもたちにアイヌ語教えるなどアイヌ語復興に尽力している。
しかし、彼はアイヌではない。兵庫県出身だ。
20年前に日本一周の旅の途中、たまたま立ち寄ったのが二風谷だった。
そこで妻となる真紀と出会い、一年後には結婚。気がつけば、アイヌ語復興の先頭を走っていた。恋に落ちてアイヌ語講師になった男の、アイヌ語への思いを取材した。
マカリス
冷酷非道な死神マカリスがある日、余命わずかな17歳の少女サツキに出会う。
母を残して死ぬ事に罪悪感を抱いているサツキとの交流を通し、マカリスは人間の残酷であり美しい愛というものを理解し始める。
The Buttefly
40半ばで女性として生まれ変わった男性が「おばあちゃん」になった。
彼女が得たもの失ったものは?
20dB
自然豊かな町に住む女子高生の歌(うた)は、親友の和(ひより)が植物状態となり、入院したことを機に、和の意識に届くことを願って、二人の記憶を辿り、思い出の「音」を録りに巡る。
あの日に戻れると信じて。
たこやきストーリー
たこ焼きを食べることを躊躇しつつも魅了される少女は、やがてたこ焼きにハマってしまいます。
宮本哲也と賢くなるパズル
10年前、宮本哲也氏はパズルを通じて世界を変えることを夢に描き、横浜に教室を開いた。
KenKen(賢くなるパズル)の誕生である。パズルの世界を紐解いて。東京からニューヨーク、教室から競技会場へ。
ビジネスと技術革新が芸術と人間性の哲学に導かれ、宮本と彼の生徒たちが発明家とプレイヤーの脳内世界へと誘う。
宮本の手作りパズルはプレイヤーに問いかけていると彼は信じている。
目を凝らしてパズルに挑む時、ケンケンパズルの行間と網目の中に世界を震撼させた先生の物語が見えてくる。
オレゴンの空の侍
1942年、日本帝国空軍パイロット、藤田信雄は、潜水艦より艦載機射出機によって米国オレゴン州の海岸沿いの森を飛行し、アメリカ本土を爆撃した第二次世界大戦史上唯一の日本人パイロットとなった。
数年後、彼は自信が爆撃した地域のオレゴン州の小さな町のコミュニティーに招待されることになる。
以来彼が夢にも思わなかった生涯続く友情と信頼を育むことになった。
「オレゴンの空の侍」は敵対していた爆撃地が第二の故郷になるまでの藤田氏の記録である。
ハロー!ブランニューワールド
毎日をわくわく過ごすことを目標にしている、人気動画クリエイターのあさぎーにょ。
しかし、ここ最近の目の回るような忙しさで日々を楽しめなくなっていた。
疲れを癒すべく熱海旅行を計画するが、霧が濃くなり遅延したせいで計画はボロボロ。
さらに泊まる予定の旅館もあまりに古く、テンションはガタ落ち…。
ほんとに無駄な一日だった ー その一言がきっかけとなり、あさぎーにょは「とある一日」を繰り返すことになる。
Nourishing Japan
日本の食育に関するドキュメンタリー。
食育を広めようとする人々の姿を追う。
食育を伝えようとする人々の絶え間ない努力が、子供を始め大人たちにもたらすものとは―。