シーワールドの新型コースター「エレクトリック・イール」
満を持して5月10日オープン、入場者数も回復基調へ反転か?
2018年5月20日
© 2018 SeaWorld Parks & Entertainment, Inc. |
シーワールド・サンディエゴのライドアトラクション、最新型ローラーコースター「エレクトリック・イール」 (電気ウナギ) が当初の予定より2日早い5月10日にオープンした。
今年からは高度と速度を誇るエレクトリック・イールのほか、18メートルの高さからのスプラッシュが迫力の「ジャーニー・トゥ・アトランティス」。
巨大エイが海を泳ぐスリルを味わえる「マンタ」がシーワールド・サンディエゴの3大コースターとなる。
エレクトリック・イールはシーワールドのコースターの中で最高度まで上昇し、最速スピードで下降する新型コースターとして昨年春に建設計画が発表された。
曲線を描くルートを宙返りと反転を繰り返しながら進み、最大上昇点150フィート (約45メートル)、最大速度は時速62マイル (約100キロ) に達するスリル満点の乗り物。
ミッションベイの景色が天地逆さまで楽しめるというキャッチワードも注目された。
エレクトリック・イールは極度の緊張感とスリル感を伴うローラーコースターとして、10代中心の若年層に人気が集中しそうだ。
最新型ローラーコースターのオープンと前後して、シーワールド・サンディエゴに朗報となる統計が発表されている。
今年第一四半期における入場者数が前期比 +15%の増加率を示し、過去4年間続いた減少ラインにどうやら歯止めが掛かったようだ。
シーワールド・サンディエゴではこの3年間に、減益、経営改革、2人のCEO退任などの事態に直面しただけに、満を持してオープンしたエレクトリック・イールに期待を寄せ、動員数のスライドダウンを挽回しようとと意気込んでいる。
とりわけ毎年第一四半期は、気候の影響などからテーマパークの動員数は低調とされているが、この時期に好転の兆しを示したことが市場に反映され、シーワールドの株価も上昇した。
シーワールドは「ショー目的の隷属的なシャチの飼育」を糾弾する動物保護団体の強力なキャンペーンに加え、フロリダのシーワールドで調教師がシャチに襲われて死亡した事故を取り上げたドキュメンタリー映画『ブラックフィッシュ』の公開により、一般市民からの厳しい批判も寄せられてきた。
このような背景から、シーワールド・サンディエゴでは昨年1月にシャチが芸を披露するショーに終止符を打ち、以後は娯楽的プログラムより、海洋動物の生態を伝える教育的プログラムに重点を置いている。
その中で、エレクトリック・イールは動員数回復を後押しする “目玉アトラクション” の一つになるかもしれない。
(2018年6月1日号掲載)