フォールコナーSD市長、4回目の年頭施政方針演説
最優先事項にホームレス救済、警察官欠員補充、市街地美化も
2018年1月12日
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© The City of San Diego |
ケヴィン・フォールコナー第36代サンディエゴ市長は1月11日、午後6時過ぎから約1時間、就任後4回目となる年頭施政方針演説をダウンタウンのバルボア・シアターで行った。
演説はサンディエゴ市の公式ホームページからのネット中継のほか、地元ケーブルTVでもライブで放送された。
フォールコナー市長は今年の年頭演説で最優先事項にホームレスの救済を挙げた。
サンディエゴ郡のホームレス人口は9,160人で、全米主要都市圏中4番目に多く (米住宅都市開発省・2018年1月統計)、市長は昨年の施政方針演説でも喫緊の課題の一つとして対策を進めると約束。
2017年はホームレス状態の退役軍人約1,000人を対象に、1200万ドル (約13億3千万円) を投じてアパートを提供する措置を取った。
2018年は3倍となる約3,000人まで救済規模を広げるという。
2016年11月から昨年後半まで、サンディエゴ市内のホームレス密集地域を中心に流行したA型肝炎の感染者は577人に上り (入院396人)、20人の死者を出したが (サンディエゴ郡保健福祉課発表・1月11日時点) 現在は終息傾向にある。
市長は、昨年9月に実行した高圧水洗浄、簡易手洗所設置などの緊急の公衆衛生プランが奏功したと語った。
さらに、ホームレス対策の新提案として、ダウンタウンにナビゲーションセンター (支援施設) をオープンし、今年の春までに、居住地のない人々の所有物を安全に保管できる倉庫も設置すると約束した。
また市長は、200名の欠員が生じているサンディエゴ市警 (SDPD) の警察官補充も急務の課題に挙げた。
このままでは警察官一人一人が業務過多となることから、サンディエゴ市は先月、最低で25%の給与アップに踏み切った。
だが、警察官不足の実体は変わらず、この状態が続くと治安維持に影響を及ぼすとしている。
他にも、市街地の美化 (今後数年間に新公園の建設と既存公園の整備を実現)、コンベンションセンター拡張 (2021年以降のコミ=コン開催延長など、経済効果アップを促進)、適正価格住宅 (affordable housing) の建設推進 (中低所得者層対象) やインフラ整備など、旧来の課題にも継続して取り組んでいく決意を見せた。
(2018年2月1日号掲載)