2021年10月24日
サンディエゴのトッド・グロリア市長が9月に署名した「ゴーストガン」 (Ghost gun=幽霊銃) を禁止する条例 (Eliminate Non-serialized Untraceable Firearms Ordinance=ENUF) が、10月23日に施行された。
銃社会と呼ばれる米国だが、無制限に銃保持を許してはいない。
1993年に制定された連邦法の「ブレイディ拳銃管理法」 (ブレイディ法) により、銃販売店は定められた期間内に購入者の身元調査を行う義務を負い、前科者、精神病患者、麻薬中毒者、軍務から不名誉除隊された者、未成年者などへの販売はできない。
カリフォルニア州法では、登録後10日以内に司法省からシリアルナンバーを合法的に取得すれば、米市民は自宅で銃を作製できるが、インターネットなどで購入した部品を組み立てて作られたゴーストガンの違法所持が後を絶たない。
今年4月、ガスランプ・クォーターでゴーストガン乱射事件が発生し、1人が死亡、4人が負傷した。
サンディエゴ市ではゴーストガンの製造が169%増加しているという統計もある。
グロリア市長は、ゴーストガン禁止条例の施行により、犯罪者が違法銃を作る法的抜け道を塞ぐことになると自信を示す。
この条例に違反して逮捕された場合、軽犯罪に問われ、1,000ドルの罰金または6か月の懲役刑になる可能性がある。
司法省によると、2016~2020年に回収された製造番号のない銃は23,000丁を超える。
これらの銃は通常、オンラインで購入された主要部品やキットが使われ、家庭用の3Dプリンターで作った部品を使用する場合もあるという。
銃擁護団体は条例の仮差止命令を連邦地裁に求めていたが却下された。
(2021年11月16日号掲載)