2022年9月2日
世界最大級の陣容と優れた研究成果を誇る地球科学/海洋学研究組織、ラホヤのスクリップス海洋研究所 (Scripps Institution of Oceanography=SIO) は、カリフォルニア州で最速のペースで崩落を続ける海食崖 (かいしょくがい) について調査を続けており、現実的な防御対策を講じようとしている。
地元メディアが伝えた。
サンディエゴ郡では、海面上昇により断崖が浸食され、崩壊が頻発している海岸が多く、いくつかのビーチコミュニティーに警告が出されている。
SIOの発表によると、サンセットクリフスの断崖はSD郡で最も急速に崩壊が進んでいる海食崖だが、人為的な防衛手段が取られていない。
浸食は1年に約2インチ失われるペースと見積もっている。
SIOのトム・コリンガム博士は「人智を駆使すれば、何らかの方法で (崩壊を) 防ぐことができる。
海岸の防備を固め、海砂を補充するなどの手段を早急に取らなくてはならない。
最終的には、海面上昇が危険水域に到達する前に、撤退を考えるべき」と述べた。
UCSDは、最速ペースで崖の侵食が進む地域の地図を作成している。
https://siocpg.ucsd.edu/data-products/ca-cliff-viewer/
地球温暖化が進む中、海面上昇は異常気象による冬季の高潮、大型ストームの甚大な被害によっても顕在化するという。
(2022年9月16日号掲載)