若者の銃犯罪に神経尖らせる米社会、生徒の逮捕相次ぐ
サンディエゴ市内の高校でも「学校銃撃」 の脅迫メッセージ
2018年3月2日
フロリダ州の高校銃乱射事件以降、学校襲撃を口にしたり、銃を構える画像をインターネットに投稿した生徒らが逮捕、拘束される事案が相次いでいる。
悪ふざけや誤解だったとして訴追されないケースも多く、米社会が若者の銃犯罪に神経を尖 (とが) らせる様子が浮き彫りとなっている。
教師らで構成する団体「教師による学校安全ネットワーク」によると、フロリダの事件が起きた翌日の2月15日から23日までに、学校に対する脅迫事案が約490件に上った。
警戒を強める教師らが事件を未然に防ごうと積極的に通報し、警察も対応を強化している。
米メディアによると、フロリダ州やオハイオ州などでは学校への銃器持ち込みを防ぐため、生徒らのバックパック使用を禁止する学校も出始めた。
警察当局は米メディアに「フロリダの事件の教訓から、あらゆる通報に真剣に取り組んでいる」と強調している。
ロサンゼルス郡では、高校での銃乱射をほのめかした男子生徒 (17) が逮捕され、自宅から殺傷力の高いAR15型ライフル銃2丁や大量の銃弾などが押収された。
生徒は訴追されなかったが、銃が未登録だったとして所有者の兄が訴追された。
サンディエゴ郡では、トーリーパインズ高校での銃撃を予告した高校生 (14) と元高校生 (16) が逮捕されている。
さらに2月26日、ランチョバーナード高校内のキャンパスの壁面にスプレー式塗料で書かれた学校銃撃をほのめかすメッセージが見つかった。
サンディエゴ市警によると、同校内で20以上の書き込みが確認され、いずれも2月14日にフロリダ州パークランドの高校で17人が死亡した銃乱射事件を引き合いにしており、“2月26日12時”、“ランチョバーナード高校銃撃”、“無実の者に死を” などの脅迫的な内容が認められた。
市警はこれらの脅迫メッセージに現実性は薄いと判断し、容疑者の絞り込みに全力を挙げている。
ランチョバーナード高校は1週間の休業期間を終えたばかりで、26日から全生徒が登校することになっていた。
同日は予定通りに授業が再開されたが、脅迫メッセージで心理的な衝撃を受けた生徒は任意で帰宅することが許された。
(2018年3月16日号掲載)