Thursday, 26 December 2024

WHO、コロナ「終わり」視野に拡大防止継続 SD郡、限定的に2価ブースター接種可

2022年9月19日

世界保健機関 (WHO) のテドロスアダノム事務局長は9月14日、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行 (パンデミック) について「まだ到達していないが、終わりが視野には入ってきた」と述べ、収束に向けて感染拡大防止の取り組みの継続を訴えた。

テドロス氏は、9月第2週の新型コロナの週間死者数が、2020年3月以来の低い水準になってきたと指摘。

「パンデミックを終わらせるのに、これほど有利な状況になったことはない」と述べる一方で「マラソン選手は、ゴールが見えたからといって立ち止まることはない。

残っているエネルギーを振り絞って、より速く走ろうとするものだ」と述べ、警戒を緩めるのではなく強化するよう求めた。


9月11日付のWHOの集計によると、5日~11日の週間死者数は前週比22%減の10,935人。

新規感染者は前週比28%減となったものの313万人に上っており、現在主流のオミクロン株が流行する前と同水準の多さとなっている。


テドロス氏は、死者や感染者の減少傾向を歓迎しながらも「この機会を逃すと、新たな変異株の出現や死者増加を招き、(社会・経済生活の) さらなる混乱や、先行きの不透明さが増す可能性がある」と指摘。

ウイルス検査や遺伝子解析の態勢維持、ワクチン接種が遅れている地域での実施促進を訴えた。


また、テドロス氏は9月16日、「終わりが視野には入ってきた」と述べたことについて「大きな方向性としては収まりつつあるが、感染の波はすんなりとゼロにはならない。

(冬場に到来が懸念される) 第8波への対策を考えなくていいとのオプションはない」と話した。


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バイデン大統領は9月18日放映のCBS-TVのインタビューで、米国の新型コロナウイルス感染症をめぐり「パンデミックは終わった」と述べた。

「新型コロナウイルスは問題であり続けており、まだやるべきことはたくさんある」としつつ「状況は変わっている」と強調した。


米国では重症化を抑えるワクチンや治療薬が普及したことを受けて、疾病対策センター (CDC) が感染者と接触した人の隔離を一律不要とするなど、新型コロナ対策を大幅に緩和している。


インタビューは14日にミシガン州デトロイトのモーターショーを視察した際に収録。

バイデン氏は「だれもマスクを着けていないし、みんな体調は良さそうだ」と指摘し、状況が好転している証左だと強調した。


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サンディエゴ郡保健福祉課は、冬の到来を前に、住民に向けてCovid-19ワクチンの接種を強く奨励している。

郡当局の発表によると、SD郡在住者の約145万人が定期的なブースター済ませており、9月中旬の時点で34,000人以上が限定的な2価ブースターを受けたという。


新着の2価ブースターは、オリジナルのCovid-19ウイルス、およびBA.4とBA.5オミクロン亜種に対する免疫反応を起こすために開発された。

現在でも、SD地区ではオミクロン亜種が新型コロナ感染の主要株となっている。


ファイザーバイオンテックの2価ブースターは12歳以上が対象で、モデルナ18歳以上に認可されているが、各郡は州からの追加ワクチンの配分指示に従わねばならず、希望する量を入手するのは難しいようだ。


9月中旬時点で、12歳未満には2価ブースターの投与が認可されていない。

この年齢層は旧バージョンのファイザー製1価ワクチンでブースター接種を受けられる。

2価ブースターの対象年齢者は、投与を受ける前に、承認されたCovid-19ワクチン (ファイザーモデルナノババックス) の1次シリーズ接種を完了している必要がある。


2価ブースターの接種希望者はその対象となるまでに、前回のワクチン接種から少なくとも8週間待たなければならない。

さらに、完全なワクチン接種を受けていてCovid-19の陽性反応が出た場合は、感染後3か月の期間を置いて2価のブースターを受けることになる。


*米保健福祉省 (HHSA) は、SD郡の新型コロナ統計 coronavirus-sd.com を月曜日と木曜日の週2回の頻度で発表してきたが、9月中旬から木曜日のみ更新されることになった。



(2022年10月1日号掲載)