Thursday, 26 December 2024

WHO、ワクチン/薬の完全活用推奨、コロナの予測不可能 米国で拡大の「XBB.1.5」 オミクロン株より予防効果低い

2023年2月13日

世界保健機関 (WHO) で新型コロナウイルス感染症の解明・対応の技術責任者を務めるマリアバンケルコフ氏 (45) は、ワクチンや抗ウイルス薬のさらなる普及など、取り得る対策手段を完全に活用することで、今年中の緊急事態宣言の終了に期待した。


流行の現状について、バンケルコフ氏は「コロナウイルスは進化し続けており、追跡しているオミクロン株の派生型は600を超えた

流行に季節性もなく予測可能な状態に落ち着いてきてもいない

拡大を防止しないと、再感染する人が続出することになる。

パンデミック (世界的大流行) が続いていることは明白で、警戒継続は間違いなく必要だ」と語った。


感染者の重症化が減少していることについて、同氏は「ワクチンは重症化率、致死率を下げるのに目覚ましい効果を上げている。

流行初期のウイルスを基に開発されたワクチンでも有効と言える。

だが、依然として、確認できている最低限でも、毎週1万人以上が死亡している。

被害減少は膠着 (こうちゃく) 状態に陥っている」との認識を示した上で、「現状は (収束に向けた) 移行期にある。

緊急事態宣言は正直、昨年にも終了できたはずだったが、ワクチンや治療方法などを最大限に活用できておらず実現しなかった。

(ウイルスに対抗する) 手段は既に存在するので、今年中に宣言終了できると期待している」とも――。


定期的なワクチン接種の継続は必要かとの問いに「効果は接種から月日が経つと弱まっていくので、60歳以上の高齢者持病のある人医療従事者など危険性の高い人に対しては、46か月ごと追加接種をWHOは推奨している。

とはいえ、60歳未満の年齢層にはどれだけの頻度で接種すべきか、まだ結論は出ていない」と答えた。


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米国で拡大中の新型コロナウイルスのオミクロン株派生型「XBB.1.5」に対するワクチンの予防効果は、従来株や他のオミクロン株よりも低かったとの実験結果を、東京大医科学研究所の河岡義裕特任教授 (ウイルス学) らのチームが2月13日に公表した。

ただ、一定の効果は確認されており、オミクロン株対応ワクチンの接種感染対策として有効としている。


また、抗ウイルス薬の点滴薬「レムデシビル」と飲み薬「モルヌピラビル」「パキロビッド」「ゾコーバ」は従来と同等のウイルス増殖抑制効果があった。


感染によってできた免疫から逃れる力は、従来株や他のオミクロン株よりも強かった。

WHOも免疫から逃れる力はこれまでで最高クラスと推定する。

成果は英医学誌ランセット・インフェクシャス・ディジージズ電子版に掲載された。


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米下院は2月8日、米国行き航空便の外国人搭乗客を対象とする、新型コロナウイルスのワクチン接種義務撤廃する法案を賛成多数で可決した。

ただ、接種を重視する民主党が多数派の上院で審議が進むかどうかは不明。

バイデン政権は、接種義務化は「感染拡大防止に効果を上げてきた」として廃止に反対を表明している。


採決結果は賛成227、反対201。

共和党に加えて民主党からも7人が賛成に回った。

バイデン政権は、新型コロナ感染拡大に対処するための国家非常事態宣言5月11日解除する方針。

接種義務化を継続するかどうかの判断は「科学的根拠に基づき下されるべきだ」と指摘し、今後検討していくとしている。


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日本政府は2月10日、新型コロナウイルス対策のマスク着用を、個人の判断に委ねる新たな指針をまとめた。

医療機関や混雑した電車といった着用が推奨される場面を示す一方で、学校では着用を求めないことを基本とした。

4月1日からとした学校を除き、3月13日から適用される。

新型コロナの流行が始まって4年目に入り、5月8日には感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同等5類に移行する。

日常生活に浸透してきた基本的な感染対策が大幅に緩和される。


加藤勝信厚生労働相は取材に「本人の意思に反して、着脱を強いることがないように対応いただきたい」と述べた。

また感染が拡大した場合は、一時的にマスク着用を呼びかけることもあり得るとした。


新指針適用前の学校の卒業式は「児童生徒らはマスクを着用せずに出席することを基本とする」とした。

文部科学省は2月10日、都道府県教育委員会などに通知した。


新指針では、学校教育活動では4月1日以降、基本的にマスク着用を求めない。

3月13日以降、周囲の人に感染を広げないため、通勤ラッシュ時など混雑した電車やバスに乗車する時などは、引き続き着用を推奨する。

ただ、全員の着席が可能な新幹線や高速バスでは外すことを認める。


医療機関や高齢者施設を訪問する際などは着用を推奨。

高齢者などの重症化リスクが高い人が、混雑した場所に行く場合も着用が効果的だとした。

事業者が、利用者や従業員に着用を求めることは許容した。

感染者や同居者が感染している人は外出を控え、やむを得ず外出する場合は着用を求めた。



(2023年2月16日号掲載)