Thursday, 28 March 2024

ファイザー 4歳以下ワクチン接種延期 モデルナ 新変異株への臨床試験実施 SD郡の新規感染者2~3千人台、現実はもっと多い?

2022年2月11日

ワシントン・ポスト紙は1月31日、ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンが2月末までに生後6か月から4歳までの子供に使える可能性があるとして、緊急使用許可を食品医薬品局 (FDA) に申請する見通しを報じた。

しかし、FDAは十分な治験結果を待つ必要があるとの見解を2月11日に示し、予定していた承認会議を延期すると発表。

米国では、ファイザー製ワクチンは5歳以上に接種されている。

ファイザーは昨年12月、4歳以下に対する臨床試験では安全性に問題がなかったが、一部の年齢層で2回接種では十分な免疫反応を引き起こせず、3回目を追加して有効性を評価すると表明していた。

追加分のデータが整うのは早くても3月後半とみられる。


モデルナは1月26日、新型コロナウイルスの新たな変異株オミクロン株に対応するワクチンの臨床試験を始めたと発表。

同社のワクチンを打った人への追加接種として、安全性やウイルスに対抗する身体の免疫反応を調べる。

試験は18歳以上が対象。

2回接種を済ませた人、追加となる3回目まで済ませた人それぞれ約300人に、オミクロン株対応ワクチンを1回接種する。

同社などによる研究では、2回接種から7か月後にはオミクロン株の感染を防ぐ抗体が半数近い人で検出できなくなった。

追加接種すると半年後、全員で検出可能な水準を保っていた。

ステファン・バンセル最高経営責任者 (CEO) はこの結果について「安心材料ではあるが、免疫をかいくぐるオミクロン株の脅威を考慮し、対応できるワクチンの開発を進める」としている。


サンディエゴ郡は新型コロナウイルスの新規感染者が1月中旬に1万人を超えた日もあったが、2月上旬は2,000~3,000人台で推移するなど減少傾向を示しているようにも見える。

一方で、1月中旬まで0~10人未満だった1日の死亡者は1月27日~2月4日までの統計で20人台へと増加した。


SD郡当局の説明によると、Covid-19による死亡者が平均数を上回ったのは12月と1月のオミクロンスパイクの影響があるという。

郡福祉衛生課のウィルマ・J・ウータン博士は「オミクロン変異種は以前の変異株ほど致命的でないという誤解があるようだ」との強い警戒感を示した。


郡当局が2月1日に公表した統計では、新たな検査数は35,675件で、直近7日間平均の陽性率19.8%と、4日前の25.2%から低下した (陽性率の数値は、毎週火曜と金曜に報告される)。

症例数についても、ウータン博士は「家庭用抗原検査の普及と利用者の増加がみられ、郡に報告されていない陽性者を含めると実際には相当数に上っている可能性がある」としている。


郡衛生福祉課は、ワクチン接種が重症化を回避し、命を救う最善の対策であることを強調している。

米保健福祉省 (HHSA) の統計 (2月3日時点) によると、5歳以上の郡在住者のうち、約288万人91.4%)が少なくとも部分接種を受け、253万人以上80.4%)が完全接種を済ませている。

規定の予防接種を完了したSD郡住民のうち、合計1,072,823人 (51.8%) がブースター接種を受けた。

現在、ブースター接種は12歳以上が受けられる。


SD郡内には、医療機関、診療所、薬局、郡当局が設置した拠点を含めて400か所以上のワクチン接種施設がある。

予約とロケーション確認は☎︎833-422-4255に電話するか myturn.ca.gov (CA 州公衆衛生局)へアクセス。

または coronavirus-sd.com/vaccine (SD 郡保健福祉課) 。


*Picture: © Giovanni Cancemi / shutterstock.com


(2022年2月16日号掲載)