2022年8月19日
米国では新型コロナウイルス「第7波」の感染拡大と急ピッチな利上げによる景気への悪影響が懸念されている。
コロナ禍で苦境にある中小企業を取り巻く情勢はさらに厳しさを迎えそうだ。
2月初旬から中旬に猛威を振るった「第6波」時点では、ロシアのウクライナ侵攻や米利上げは行われていなかった。
その後の資源、食料の価格高騰は、コロナ禍が直撃した飲食・観光業だけでなく、幅広い製造業の重しとなっている。
米連邦準備制度理事会 (ERB) はインフレを抑え込むため、年末までに政策金利を3.4%まで引き上げる見通しだ。
ある政府関係者は「米国のインフレは深刻で、4%近くまで利上げを行わないと抑え込めない。
その場合、米国発による世界的な景気後退に陥るシナリオもある」と指摘している。
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米保健福祉省 (HHSA) が8月18日に公表した最新データでは、サンディエゴ郡内の新型コロナウイルスに関連する新規感染者859人、追加死亡者6人が明らかになった。
パンデミック以来の累積患者数は903,885人、死亡者数は5,448人に達したが、週単位の感染症例数は前週5,285件、前々週は7,045件と報告され、減少ラインを示している。
*新型コロナ抗原検査キットの普及に伴い、陽性結果が出ても自己申告しないケースが想定され、各政府機関が発表するデータでは「全数把握」に至らないとの批判もある。
12歳以上を対象とするSD郡の住民10万人当たりの感染者は、完全ワクチン接種者+ブースター接種者で43.35人、完全接種者で27.54人、部分接種者で85.20人となっている。
生後6か月以上のSD郡在住者の90%に当たる301万人以上が少なくとも部分的にワクチンを接種し、79.7%に当たる約266万人がワクチン接種を完了。
対象となる2,443,652人のうち58.8%に当たる1,437,457人がブースター接種を受けている。
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サンディエゴ郡保健福祉課はコロナウイルスの活動が依然として活発であることを報告しているが、一方で、抗ウイルス剤とモノクローナル抗体による重症化の防止治療も十分に効果があるとしている。
郡公衆衛生担当者ウィルマ・J・ウーテン博士は「重症化するリスクが高ければ、抗ウイルス薬とモノクローナル抗体による治療を受けるべき。目覚ましい効果がある」と言う。
郡当局の見解によると、抗ウイルス剤とモノクローナル抗体は、発症後、数日以内に投与するのがベスト。
陽性を示し、重症化するリスクが高いと判断された人 (12歳以上) は早めに医師に連絡することが肝心だという。
地域の治療センターや医療機関では、飲む抗ウイルス剤、または点滴で投与するモノクローナル抗体のいずれかを提供している。
症状、年齢、潜在的な基礎疾患に基づいて、医療従事者が各患者に最適な治療法を決定するという。
また、副反応が起こる割合が比較的低いとされる新型コロナワクチン「ノババックス」(Novavax) も、郡内の医療機関、小売薬局、地域診療所、保健所や予防接種会場で受けられる。
*特定の医療機関を持たない場合は、☎︎211で最寄りの外来クリニックを探すか、モノクローナル抗体地域センター (☎︎ 619-685-2500) へ連絡すれば、医療保険や移民資格の有無にかかわらず、無料でモノクローナル抗体治療が受けられる。
*HHSAは月曜と木曜の夕刻にデータを更新している。
(2022年9月1日号掲載)