Friday, 29 March 2024

全米の医療施設、混乱拡大 SDも救急サービス大幅遅延

2022年1月11日

新型コロナウイルス感染が急拡大する米国で、医療施設交通機関人員が不足するなど、社会インフラに混乱が広がっている。

感染力の強い新変異株オミクロン株で感染や濃厚接触による隔離対象者が急増したためだ。


米メディアによると、1月8日時点の米厚生省の統計で、約5,000の医療施設のうち「深刻な人手不足」と表明したのは約1,200に上り、約24%に当たる。

他に100以上が「近く人手不足になる」と予測。

ニューヨーク州では40の医療施設が不急の手術を最低2週間延期した。


サンディエゴでも救急治療室の逼迫 (ひっぱく) 状況が悪化しつつある。

緊急医療センター (ER) が満員になり、年明け早々に「救急搬送政策」を一時停止する事態となった。

この政策は、救急車を混雑していない医療施設に一時的に振り向けることで、過密状態にある救急室の負担軽減を目的としていた。


地元メディアによると、救急医療サービスの民間プロバイダー、ファルク・サンディエゴではクリスマス以降、オミクロン株の猛威で救急患者数が30%も増えたという。

サンディエゴ消防局のバックアップを受けて緊急事態に対応しているにもかかわらず、平均90分の病院搬送の遅延が3時間に長引くこともあり、患者の治療順序 (トリアージ) を決める救急救命士を苛 (いら) 立たせている。


病院側は地域社会に向けて、医療崩壊を防ぐために、規定の予防接種はもちろん、ブースター接種を受けること、可能な限り社会的距離を置くこと、自己隔離すること、症状が出ても緊急事態でなければ救急車の要請を控えてほしいと呼びかけている。



(2022年2月1日号掲載)