2022年12月13日
米国が主導する国際月探査アルテミス計画の第1弾として無人飛行試験を実施した宇宙船オリオンが12月11日、サンディエゴの南方、バハカリフォルニア沖の太平洋に着水し、帰還に成功した。
地球と月の間を往復する26日間、230万キロの行程だった。
11月26日の時点で、1970年のアポロ13号の記録約な40万キロを追い抜いた。
米航空宇宙局 (NASA) は得られた飛行データを分析し、2024年に予定している有人飛行に備える。
飛行士の居住空間となる円錐 (すい) 形のカプセルは時速約40,000キロで大気圏に突入し、3,000℃の高温に耐えた後にパラシュートで降下した。
NASAのビル・ネルソン局長が記者会見し「大成功だ。
米国だけでなく参加各国にとっても素晴らしい日になった」と話した。
オリオンは11月16日、フロリダ州のケネディ宇宙センターを出発。
日本の超小型探査機 EQUULEUS (エクレウス) と、日本初の月着陸を目指した OMOTENASHI (オモテナシ) を放出した。
オモテナシは通信が途絶えたため着陸を断念した。
アルテミス計画では2024年に有人で月周回飛行し、2025年に月面着陸する予定。
日本は飛行士1人が月上空の新基地に滞在することが認められた。
*イラストはイメージ
(2023年1月1日号掲載)