Friday, 26 April 2024

米国の新規感染140万人超、過去最多 累計6,100万人、オミクロン株98% 頭打ち傾向も、新変異株ワクチン3月に照準


2022年1月19日

米疾病対策センター (CDC) は1月11日、前日に報告された米国内の新型コロナウイルス新規感染者約140万6,000人に上り、過去最多を記録したと発表。

直近1週間の1日平均は約75万人前週の1.5倍まで上昇し、感染確認は累計6,100万人を超えた。


だが、13日には感染者が減少傾向に転じた。

オミクロン変異株が早い段階で拡大したニューヨーク州やイリノイ州、フロリダ州などで新規感染が減り、遅れて流行した地域でも頭打ちとなりつつある。

全米では昨年12月下旬から新規感染者が過去最多を更新し続けたが、13日の約80万人で峠越え。

新規入院者も過去最多を記録した21,000人余りがピークだった。

流行が遅れたカリフォルニア州の感染者数は横ばいが数日続いている。


また、CDCは11日、流行している新型コロナウイルスのほとんどが感染力の強いオミクロン株になったとの推定を発表した。

1月8日までに新型コロナ感染の98.3%を占めた。


毒性の強いオミクロン株の驚異的な猛威については「根絶は難しいが、これだけ感染拡大が進めば、集団免疫を獲得する可能性もある」 との見方を示す専門家もいる。


感染増の背景にはワクチン接種の停滞に加え、初期に接種を受けた人たちの抵抗力低下があるとみられる。

ファイザー製ワクチンは5歳から接種できるが、これまでに規定回数を受けたのは全人口の62.6%

12歳以上で追加接種も済ませた人は36.7%にとどまる。


米政府は1月12日、新型コロナウイルス流行下で対面授業を継続するため、学校が利用できる検査を月1,000万回増やし、現状の2倍以上にすると発表した。

内訳は迅速検査キット500万回分と、教室で検体を採取して分析機関に送るPCR検査500万回分


CDCは、感染者と接触した生徒や教職員でも無症状なら自主隔離せず、定期的に検査をして陰性を確認すれば学校に行けるとしている。


米製薬大手ファイザーは1月10日、オミクロン株に対応するワクチンを3月にも準備できるとの見通しを明らかにした。

新ワクチンはオミクロン株以外の変異株も標的にしたもので、既に生産を始めている。

一方、既存のワクチンでも重症化や死亡を防ぐ効果は期待できるため「新ワクチンの必要性と具体的な接種法はまだ分からない」とも述べた。

米バイオテクノロジー企業モデルナも同日、今年秋を目標にオミクロン株に対応するワクチンを開発中で、近く臨床試験に入ることを明らかにした。

50歳以上免疫の働きが低下している人毎年の追加接種が必要になるとの見解も示した。


サンディエゴ郡保健福祉課は1月18日、郡内の新型コロナウイルス感染による入院者数が過去30日間で354人から1,206人に3倍以上に増えたと報告。

サンディエゴ郡はカリフォルニア州でロサンゼルス郡に次いで2番目に多くの陽性患者が出ているが、新規感染者は12日の14,715人をピークに漸減傾向に転じた。

18日付の累計数は陽性者604,078人死者4,548人集中治療室 (ICU) 搬送者1,976人入院者19,828人

昨年12月31日付の統計と比較すると、死亡率1.0% → 0.8%、ICU 搬送率0.4% → 0.3%、入院率4.3% → 3.3%改善傾向が続いている。


ワクチン接種の予約とロケーション確認は myturn.ca.gov (CA州公衆衛生局)、または https://www.sandiegocounty.gov/content/sdc/hhsa/programs/phs/community_epidemiology/dc/2019-nCoV/vaccines.html (SD郡保健福祉課) へ。



(2022年2月1日号掲載)