Friday, 19 April 2024

脳卒中、心筋梗塞の早期発見を UCSDナノ工学チームの超音波パッチ

2021年8月15日

カリフォルニア大学サンディエゴ校 (UCSD) のナノテクノロジー (超精密技術) チームは、体内の主要な動脈や静脈の血流をモニタリングできる超音波パッチを開発した。

このパッチを皮膚に装着することで、血管内の血液の速度と流量を知ることができ、血栓、心臓弁の問題、手足の血行不良、脳卒中や心臓発作につながる動脈の閉塞など、様々な心血管疾患を診断する上で重要な役割を果たせるという。

開発チームの発表によると、パッチは柔軟性と伸縮性を備え、首や胸に装着することで、体内の14cmの深さにある心血管信号を感知して測定を開始する。

血流測定だけでなく、血圧や心臓の機能をリアルタイムで継続的に監視ができ、高い精度で心血管問題の早期発見を可能にするという。

UCSD・ジェイコブス工学研究科のシェン・スー教授 (ナノ工学) 率いるチームは、このパッチを7月16日付の 医用生体工学専門誌 Nature Biomedical Engineering に発表した。

スー教授はこのデバイスのもう一つの革新的な特徴として、超音波ビームを様々な角度に傾けることで、パッチの真下に限定されずに他の部位に向けられる機能を挙げている。

「既存のウェアラブル機器はセンサーの真下だけをモニターするため、別の場所で信号を感知したければセンサーを移動させる必要があった。このパッチを使うことで、装置のフットプリントを超えた広い範囲を調べることができ、多くの可能性が広がる」と、スー教授は語る。


*イラストはイメージ


(2021年9月1号掲載)