2022年9月22日
サンディエゴ市は9月20日、訓練担当官の家から逃亡した警察犬に自宅の庭で襲われ、重傷を負った女性に対し、60万ドル (約8,680万円) を支払うことを承認した。
地元メディアが報じた。
この女性は今年3月に市当局を告訴。
訴状では、自分が受けた咬傷 (こうしょう=咬み傷) は凶暴化した警察犬による市民への理不尽な攻撃そのものであり、市側に凶暴化した警察犬の訓練、調教、監視、安全管理について過失があったと非難。
警察犬など法執行機関の捜査活動に従事する動物は、住宅地ではなく、管理体制の整った施設に収容すべきと主張している。
SD市当局の説明によると、この出来事は、2021年1月に市が準備した犬の檻 (おり) を警官が清掃している間に、掛け金の壊れたゲートから警察犬が逃げ出して発生したという。
ハンドラー (担当官) の指示がないまま街へ出た警察犬はパニック状態に陥ってしまい、一般市民を負傷させる予期せぬ事故を招いたとコメントした。
裁判所によると、警察犬は当初、女性の娘 (5歳) を攻撃しようとしたが、トランポリンのネットに保護されて無事だった。
その後、トランポリンの下から少女の母親に襲いかかったという。
訴状では「足首に皮膚から骨肉部、腱 (けん) まで激しく咬みつき、激痛、出血、後遺症、損害を与えた」としている。
原告は負傷による稼得能力の低下、医療費と被害者本人と娘の精神衛生カウンセリング費の補償を求めていた。
*イラストはイメージ
(2022年10月16日号掲載)