デジタル課税で大枠合意、OECD会合 最低法人税率15%以上、2023年実施

 

2021年7月3日

経済協力開発機構 (OECD=本部パリ) は7月1日、国際課税強化に向けた交渉会合を開き、巨大IT企業などの税逃れを防ぐデジタル課税と、企業誘致を目的とした法人税の引き下げ競争に歯止めをかける各国共通の最低税率の導入で大枠合意したと発表した。

2023年実施を目指す。

最低法人税率は15%以上とした。

日米欧の先進7か国 (G7) や中国などの新興国でつくる20か国・地域 (G20) は大枠合意を承認する見通しだ。
 


グーグルやアップルなどの巨大IT企業への課税が十分でないとの問題意識から議論が始まった国際課税強化は、実現に大きく前進した。

日本の一部の大企業にも影響が及ぶ可能性がある。

ただ、実際に導入するには多国間条約の締結や各国の国内法改正が必要だ。

結論を先送りした課題は多く、曲折が予想される。
 


G7は6月、デジタル課税は大規模で儲けが大きい多国籍企業を対象とし、最低法人税率は少なくとも15%とすることで合意。

OECDはG7合意を追認し、具体策をまとめた。

交渉会合はオンラインで開かれ、139か国・地域が参加し、G7と中国、インドを含む130か国・地域が大枠合意に賛同した。
 


デジタル課税は、全世界での売上高が200億ユーロ (約2兆6,000億円) 超で、売上高に占める税引き前利益の割合が10%超の多国籍企業100社程度を対象とする。

日本企業も数社含まれる可能性がある。
 

利益率が10%を超える部分の20~30%を、その企業の各国での売上高に応じて配分する。

受け取れるのは原則、国内での売上高が100万ユーロはある国とし、配分割合は今後詰める。

実施後は、国内に本社や工場などの事業拠点がなくても、サービスの利用者がいれば、各国は税金を受け取れるようになる。
 

最低法人税率は年間総収入が7億5,000万ユーロ以上の多国籍企業に適用する。

具体的な税率は結論を持ち越した。

企業誘致のために税率を低く抑えている新興国などに配慮し、企業の税負担を軽くする措置を用意する。
 

OECDはデジタル課税の導入によって年間1,000億ドル (約11兆円) を超える利益が各国に割り当てられると推計。

最低法人税率では1,500億ドルの税収増を見込む。


(2021年7月16号掲載)