Saturday, 29 June 2024

広まらない銃規制の動き、米国民の議論の深まりを期待

広まらない銃規制の動き、米国民の議論の深まりを期待

CA州団体「銃による暴力に反対する女性」 の事務局長に一問一答

2015年12月9日


gun-violenceサンバーナディーノで14人が死亡した銃乱射事件を受け、カリフォルニア州の銃規制推進団体「銃による暴力に反対する女性」 (Women Against Gun Violence = 本部:ロサンゼルス) のマーゴット・ベネット事務局長は、銃規制が2016年の大統領選の争点となり、国民の議論が深まることに期待を示した。

Q: 事件をどうみるか。

A:「米国にとって汚点になってしまった。(人的被害を出した) 銃乱射は1日1件以上のペースで起きていて、2015年だけでも350件以上を数えた。乱射という行為に国民が驚かなくなってしまっていることが恥ずかしい」


Q:
今回はテロ事件だが。

A:
「11月の (コロラド州) コロラドスプリングズの医療施設の事件など、これまでの乱射も実際にやっていることはテロだ。今回の事件と異なるのは犯人が白人で、多くの場合が (イスラム教徒ではなく) キリスト教徒だったというだけだ。やっていることに違いはない」


Q: 乱射が繰り返されても、銃規制が進まない理由は。

A:「銃製造会社と、全米ライフル協会 (NRA) が法規制に強く反対しているからだ。彼らは銃を持つことが保障されている合衆国憲法修正第2条を引き合いに出すが、本当の狙いはできるだけ多くの銃を販売し、収益を上げることだ。この国には多くの銃があるが、実際に持っているのは一握りの国民だ。責任感を持った理性的な所有者もいるが、一部の急進的な銃所有者が大量の銃を持っている。いくら規制を増やしても、彼らは抜け道を求める」


Q: 事件を受けて銃規制は強まるか。

A:「すぐ変わるとは思わないが、大統領選で争点の一つになり、議論が盛り上がる機運が出てくると期待している。私たちができることは銃規制に向けて1票を投じることだ」


*マーゴット・ベネット氏:1953年LA生まれ。南加大 (USC) で修士号取得。2011年から現職。


(2016年1月1日号掲載)