ウェルズ・ファーゴの不正営業慣行
無断開設口座350万件に上る
2017年9月1日
金融大手ウェルズ・ファーゴは8月31日、従業員が顧客に無断で口座を開設していた問題で、第三者組織による調査の結果、問題の口座が350万件に上ったと発表した。
調査対象期間を広げたところ、従来把握していた210万件から増えた。
ウェルズ・ファーゴは新たに判明した被害者に対し、計280万ドル (約3億円) を支払う方針も明らかにした。
従来の調査は2011年5月~2015年半ばが対象だったが、今回は2009年1月~2016年9月に広げた。
ロイター通信によると、同社は2002年まで遡って調査を続けているという。
ウェルズ・ファーゴは昨年10月、同社従業員が顧客に無断で口座を開設するなどの大規模な不正問題を受けて、当時の会長兼最高経営責任者 (CEO) ジョン・スタンプ氏が辞任した。
この問題が発覚した後、スタンプ氏は経営責任を取っていないとして議会公聴会で厳しい批判を受け、約4,100万ドル (約45億円) に上る報酬の返上を表明。
後任には社長兼最高執行責任者 (COO) だったティム・スローン氏が就いた。
この問題の背景には、厳しい営業ノルマの達成などがあるとみられ、米メディアによると、同社は不正に関わった従業員約5,300人を解雇している。
(2017年9月16日号掲載)