4/26/2025ユタ州のブリガム・ヤング大学 (BYU) に在籍する日本人大学院生、恩田卓 (おんだ・すぐる) 氏の学生ビザ (Form I-20) が突然取り消された後に復活したことが分かった。
恩田氏の代理人を務める弁護士アダム・クレイク氏が米メディアに明らかにした。
恩田氏は同大学院の博士課程に在籍し、5人の子どもを持つ父親。数週間前、米政府当局から「犯罪記録チェックで該当、またはビザが取り消された」との通知を受けた。しかし、クレイク弁護士によれば、恩田氏には数件のスピード違反と釣りに関する軽微な違反以外に犯罪歴はなく、AIソフトウェアの誤作動による取り消しだった可能性が高いと話している。復活に至った詳細な理由は、依然として説明されていない。
恩田氏はユタ州ソルトレーク市の地元テレビ局KSLのインタビューに対し「ここにいられるだけで感謝している」と語った。
国務省 (DOS) はコメントを拒否し、国土安全保障省 (DHS) もプライバシーとビザの機密性を理由に個別の説明を控えた。
DHSによると、留学生や交換訪問者の記録を管理する Student and Exchange Visitor Information System (SEVIS) システムを通じて、定期的にプログラム要件の順守状況をチェックしているという。だが、クレイク弁護士はAIが抽出した名前を十分に確認せずに処理している疑いがあると指摘する。
また、DHSは国際学生のSNS履歴や犯罪歴などを分析するタスクフォースを設置していると、米メディアの一部が関係者の話として報じている。
恩田氏が所属するBYUは、彼と他の留学生数名がDHSを相手取り訴訟を起こした直後、わずか数分でビザ復活の通知を受けた。訴訟では、適正手続きや憲法修正第5条の権利 (不当訴追の回避) が侵害されたと主張している。
取り消しの通知後、恩田氏には15日以内に日本へ帰国しなければ強制送還される可能性があった。恩田氏は約6年間米国に滞在しており、政治活動歴もSNSでの目立った発信もない。唯一の問題とされたのは、2019年に教会の釣りイベントで起きた許可範囲を超えた魚の捕獲に関する違反だったが、これは最終的に取り下げられている。
クレイク弁護士は「ビザは何もなかったかのように復活した」と述べており、今回の “復活劇” に驚きを隠さなかった。