2020年9月18日
米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会 (FRB) は9月16日、新型コロナウイルス感染症に伴う景気下支え策として、事実上のゼロ金利政策を2023年末まで継続する考えを示した。
2020年10~12月期の実質成長率が前年同期比でマイナス3.7%、失業率は2020年末時点で7.6%になるとの見通しも公表した。
成長率の予測は6月時点のマイナス6.5%よりも上方修正したが、パウエル議長 (*写真右上) は記者会見で「約1,100万人が失業したまま」と厳しい経済情勢を指摘。
2%をやや超えるような平均物価目標を達成するまで、事実上のゼロ金利政策を続ける「強い約束」 (パウエル氏) を掲げて金融政策に対する人々の信頼を高め、緩和効果を浸透させたい考えだ。
ただ、ゼロ金利政策を解除する条件は曖昧で、思惑通りに物価が上昇するかは不透明だ。
FRBはこの日、11月の大統領選前では最後となる定期的な連邦公開市場委員会 (FOMC) を開催。
主要政策金利を年0~0.25%に据え置いてゼロ金利政策を維持し、量的緩和の継続も決めた。
声明では新型コロナが「経済活動や雇用、物価上昇の重しになり続ける」と懸念を示した。
パウエル氏は、米経済が予想よりも早く回復し、労働市場も持ち直しを見せているが「(感染拡大前の状態に) 戻るまでには長い道のりになる」と指摘。
雇用の改善を目指す考えを強調した。
*写真:Federal Reserve
(2020年10月1日号掲載)