Thursday, 21 November 2024

「同時流行」懸念遠のく コロナ対策、インフル奏功

2021年2月14日

新型コロナウイルス感染が世界最悪の米国で、季節性インフルエンザの流行が極めて低いレベルに抑えられている。

昨秋ごろは、両方が同時に大流行する「ツインデミック」が懸念されたが、新型コロナの感染対策がインフル予防にも奏功したとの見方が有力だ。
 

米疾病対策センター (CDC) によると、2019~20年の流行期には全米で推定3,800万人がインフルに罹患し、約2万2,000人が死亡。

だが、CDCの抽出調査では、今期のインフル感染による入院者数は前年同期比で98%減少した。

世界保健機関 (WHO) は、世界的にも流行は低水準だと指摘する。
 

CDCのソーニャ・オルセン氏は「人の移動の激減や在宅勤務、学校閉鎖、対人距離の維持、マスク着用などの新型コロナ対策が功を奏した」と分析。

WHOも「手洗いや対人距離」がインフル拡大を抑えたとみる。
 

CDCによると、インフルの最大の流行期は2月だが、3月に流行期が来た年も少なくないため、同時流行の可能性がなくなったわけではない。

また、昨年6~7月に新型コロナ対策を緩和したカンボジアでは、翌8月にインフル感染者の大量発生が報告された。
 

米国だけで例年2万~6万人前後が死亡するインフル。

オルセン氏は「インフルはいずれ戻ってくる」と述べ、新型コロナ対策が緩和されればインフルが再び流行すると警告した。


(2021年3月1日号掲載)