Thursday, 21 November 2024

アルコール健康被害4億人 WHO、若者飲酒に懸念

2024年6月25日

世界保健機関 (WHO) は6月25日、飲酒によるアルコール依存症など健康被害を受けた人々が世界で推計4億人に上ったとする報告書を発表した。

特に、1519歳で飲酒経験がある人の割合が「受け入れ難いほど高い」と懸念。

飲酒を容認する社会通念により、引き起こされる健康被害が軽視されていると指摘した。


WHOは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今回は2020~22年のデータは不備だったとしている。


報告書によると、2019年の1人当たり年間アルコール消費量 (純アルコール換算) は5.5リットルで2010年の5.7リットルから
微減した。

2020年については、新型コロナの影響を受け、2019年に比べ10.1%減の4.9リットルと推測した。


消費量は旧ソ連諸国や欧州地域、北米・南米地域で多く、米大陸では健康被害に苦しむ人口比が他の地域よりも高い

最も消費量が多い国はルーマニア17.0リットル

米国9.6リットル日本6.7リットルだった。

15~19歳で飲酒経験がある人の割合は2000年からアフリカ地域で低下したが、日本を含む西太平洋地域や東南アジア地域で上昇した。


アルコール消費が原因の病気やけがによる死者数は、2019年に260万人に上ったと推計。

死亡率2030代で最も高く、若い世代が影響を受けやすいと分析した。


高所得国ほどアルコール消費量は多いが、低所得国ほどアルコール消費に関連する死亡率などは高い。

財源や技術、知見の不足から、こうした問題に対処するための政策がない国も多い。


WHOは、有害なアルコールの使用を2030年までに2010年比20%減を目標としており、達成には影響力の大きい政策措置が不可欠だと訴えた。



(2024年7月16日号掲載)