2020年10月17日
コカ・コーラが主力の米国市場で「ハードセルツァー」と呼ばれるアルコール入り炭酸飲料を来年売り出す。
新型コロナウイルス流行で自宅での飲酒需要が増え、米国のハードセルツァー市場は急成長しており、商機獲得を狙う。
米メディアによると、コカ・コーラが米国で酒類を扱うのはワイン事業を売却した1983年以来約38年ぶり。
ハードセルツァーはアルコール度数が3~5%程度で、ビールと比べて低カロリーなのが売り。
レモンやライムといった風味があり、製法や原料は異なるものの、日本で普及している酎ハイやサワーと似ている。
健康志向の若い世代を中心に支持が広がっている。
コカ・コーラのハードセルツァーは、傘下の炭酸水メーカー「トポチコ」のブランドを冠し、米ビール大手モルソン・クアーズと提携して事業を展開する。
米国のハードセルツァー市場は、ビール世界最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ (ベルギー) が「バドライト・セルツァー」 (*写真) を発売するなど参入が相次ぎ、品ぞろえが充実している。
米調査会社ニールセンによると、新型コロナが大流行した6月中旬までの15週間に売上高は前年同期比4倍となり、金額ベースで9億ドル (約950億円) 増えた。
日本では2018年に「檸檬堂」ブランドの酎ハイを九州地区で発売し、2019年に全国へ広げた。
健康志向による炭酸飲料離れが経営の逆風となる中、「清涼飲料の巨人」が地盤の米国でもアルコール飲料で成功できるのかどうかが注目される。
Photo:© The Toidi / shutterstock.com
(2020年11月1日号掲載)