2020年10月8日
11月の大統領選に向けた副大統領候補の10月7日の討論会は新型コロナウイルスが中心の論題になり、民主党のハリス上院議員は世界最悪の死者数を招いた政権の対応を追及、攻勢を示した。トランプ大統領の感染も足かせとなり、ペンス副大統領は受け身を余儀なくされた。
残り1か月を切った選挙戦は、民主党のバイデン前副大統領がトランプ氏に対し先行を維持する。
前回の大統領候補者討論会は中傷合戦に終始し批判を集めた。
この日はペンス、ハリス両氏とも言動を自制して「はるかに秩序正しい」 (NYタイムズ紙) 討論会となった。
CNN-TVの世論調査によると、ハリス氏の方が良かったと答えたのは59%で、ペンス氏の38%を大きく上回った。
コロナ以外ではペンス氏が切り込む場面もあり、ABC-TVはほぼ拮抗しているとの調査結果を伝えた。
ハリス氏は討論会で「わが国では21万人もの死者が出ている。何を言おうと、政権対応は上手くいっていない」と切り捨てた。
トランプ氏が詳しい容体や感染判明の経緯を明かさない点についても、納税申告書の開示を拒む姿勢を引き合いに「何でも隠蔽する」とこき下ろした。
ペンス氏は民主党内の路線対立を踏まえ、ハリス氏が地球温暖化対策で左派的な政策に同調していると指摘し、規制強化により経済失速を招くと主張した。
政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」 がまとめた最新の全米平均支持率では、バイデン氏が10ポイント近くトランプ氏をリード。
差は拡大傾向にあり、反転攻勢の糸口をつかみたいトランプ氏陣営には厳しい情勢となっている。
(2020年10月16日号掲載)