2020年11月9日大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領 (77) は政権移行へ動きを本格化させた。
最初の主要な仕事として、次期政権で新型コロナウイルス対策の行動計画を担う専門家チームのメンバーを公表した。
高官人事も近く発表される見通し。
トランプ大統領 (74) に対しては、敗北受け入れを求める圧力が共和党内だけでなく、親族からも出始めたと伝えられた。
バイデン氏が政権移行に向けて立ち上げたウェブサイトは11月8日に本格稼働。
政権移行チームはコロナ対策と経済回復、人種問題、温暖化の4分野が次期政権の優先課題と発表し「就任1日目から取り組む」と決意を表明した。
発表によると、コロナ対策チーム13人のトップにオバマ前政権で医務総監を務めたビベック・マーシー氏らを起用した。
バイデン氏は「コロナ流行への対処は私たちの政権が直面する最も重要な闘いの一つだ」とコメントした。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、政権人事でバイデン氏が近く発表する可能性があるのはホワイトハウスの高官ポスト。
閣僚は今月下旬の感謝祭の頃までは明らかにならない見通しだ。
CNNテレビは11月8日、メラニア大統領夫人や娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問がトランプ氏に敗北を認めるよう助言したと報道。
ただ、陣営幹部は否定し、トランプ氏はツイッターに「一体いつからメディアが次期大統領が誰になるか決めるようになったのか」と投稿、勝利確実報道に反発した。
共和党のブッシュ元大統領は8日の声明で、バイデン氏に電話し勝利を祝福したと明らかにした。
選挙の「不正」を主張し法廷闘争を続けるトランプ氏に向け「裁判の権利はある」としながらも「選挙は公正で、結果は明白だ」と強調した。
トランプ氏に近いクリス・クリスティ前ニュージャージー州知事も8日、ABCテレビで「(裁判で) 証拠がなければ、踏ん切りをつける時だ」と敗北を認めるようトランプ氏に促した。
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(2020年12月1日号掲載)