櫻井 真理
育英セミナー・サンディエゴ校室長
日本の某高校にて国語教諭として勤務。その後、育英セミナーの教育活動に賛同して転職。
現在はサンディエゴ校室長として海外子女教育に力を注ぐ。
アメリカの学校生活を成功させるためのアドバイス(2) |
Q 渡米したばかりで、現地校での勉強について不安を感じています。
アドバイスをいただけますか?
A 現地校に通い始めの頃は、率直に言えば教室内では「お客さま」状態になります。
英語で話されることが理解できず、膨大な単語を覚えることだけで手一杯のため、概念を学ぶところまでは至らないケースが多く見られます。
現地校にいる時間が「お客さま」状態である分、概念を日本語で学習しながら、学年相応の知識を身に付けていくことが大切です。
また、現地校の英語環境で、周りで言われていることがぼんやりとしか分からないため不安を感じているお子様にとって、明確に理解できる日本語で学習することは安心にもつながります。
英語で学ぶことにこだわらず、臨機応変に日本語を介在しながら学習することも大切でしょう。
Q 渡米したばかりですが、おそらく3〜5年後くらいには日本へ帰国することになると思います。
現地校に慣れることの方が大切だと思うので、国語や算数など日本式の勉強を一旦お休みして、現地校に慣れてきたら日本式の勉強を再開したいと考えていますが、どう思われますか?
A 3〜5年後くらいに日本への帰国が決まっているのなら、日本式の学習を中断するのは得策ではないでしょう。
日本の受験はそんなに甘いものではないし、日本帰国後の学習環境への適応など問題を増やさないためにも、日本式の学習を中断することは望ましくありません。
中学3年生までの学年相応の国語と数学は、継続学習していくことを強くお勧めいたします。
日本式学習を一旦お休みして再開する時には、中断前の学年内容まで忘れてしまっているケースがほとんどです。
そうなると学年を戻って復習してから、本来の学年の学習に追いつかなければならず、大きな負担となります。
現地校の勉強と両立することは負担を増やすのでは … と不安を感じるかもしれませんが、日本式の勉強を続けることは相乗効果を生み、他教科の学習にも役に立ちます。
また、塾や補習校など日本語学習環境での友達ができることによって、大変なのは自分だけではないと心強く感じたり、海外で学校に通う大変さについて分かち合える友達との深い絆を得たり、海外で学ぶ大変さに共感して子どもの声を受け止めて指導してくれる先生と出会ったりするのも、日本式学習を続けてこそ実現できることです。
日本から離れているにもかかわらず、日本式の学習が日本在住のお子さんに負けず劣らずにできるということは、英語と日本語の二重の学習負担を克服したという意味で、大きな自信にもつながります。
親御さんが日本式学習についてポジティブに捉え、お子様の力を信頼することも大切です。
お子様が努力してみようという前向きな気持ちになれるように、お子様を信じて励ましてあげてくださいね。
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育英セミナー・サンディエゴ校では、英語力を高める各種授業や日本式で学べる数学や国語授業を設け、海外で学ぶお子様の学習をサポートしています。
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(2015年1月16日号掲載) |