Tuesday, 23 July 2024

高齢者の便秘(2013.8.1)

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son_new8.jpg曽 碧光

米国中医薬研究所所長

1932年台湾に生まれる。
東京大学農芸化学修士、米国カンサス大学微生物学修士、東京大学薬学博士、 元米国コネチカット大学病理学助教授、
第1 回世界中西医結合大会審査委員、セント・エリザベス病院 (ボストン) 筋ジストロフィー主任研究員、ドライ・アイ眼科研究所生化学顧問、元米国漢方研究所所長、現米国中医薬研究所所長。


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高齢者の便秘
       

Q : 70歳の女性ですが、最近よく便秘をするので、医者から下剤を処方してもらって服用していました。

しかし、下剤を服用していると、却って便秘を強くしたり、副作用で腎臓を悪くすることが多いと注意されたので、果物や植物の繊維質を粉末にした、最近流行のファイバーというサプリメントが便秘によく効くと聞いていたので試してみましたが、消化不良で胃腸にアレルギー疾患が起こったのか、却ってお腹にガスが充満して苦しんでいます。

また、便秘をすると認知症になりやすいと言われていますので、早く便秘の症状を解消したいと焦っています。

便秘に効く漢方をお教えください。

 


A : 高齢者に便秘が多いのは老化で腸管運動が低下しているせいだと考えられています。

大腸は要するに便や廃棄物に関わる器官で、いろいろな病気の発生源でもあり、腸内で作られた悪性の物質が腸から吸収されて全身へと蔓延して認知症を起こすと考えられているようです。

統計的に、便秘が長期間続いた人たちに認知症が起こっていることから、便秘と認知症の関連性の研究がなされたことと思います。

実際に、私の知人で、便秘が長引いた結果、認知症になった人がいました。

彼の妻は便秘で生じた毒気が頭に上ったのだと表現していましたので、半信半疑で聞いていましたが、専門家の研究報告で便秘と認知症の関連性を確認したいものです。

また、大腸内には1,000種類以上の細菌がいることが現在分かっています。

食品中の糖類を分解して乳酸やアルコールなどを作る細菌を善玉菌といい、タンパク質やアミノ酸等を分解して硫化水素やアンモニアなど人体に有害な物質を生じさせる細菌を悪玉菌と呼んでいます。

善玉、悪玉と一般的に分かりやすい表現ですが、善玉に分類されている細菌にしても、時には有害な働きをすることもありますし、逆もまたしかりです。

善玉菌、悪玉菌のバランスが崩れると病気になります。便秘は善玉菌、悪玉菌のバランスを崩す結果を招くので、副作用の少ない漢方を服用して便秘にならないようにするのが肝心です。

便秘をしないようにする漢方には通快がよく使われています。

便秘は認知症と関連があると考えられているので、認知症の予防のためにも、便秘にならないように通快を服用しましょう。

 
(2013年8月1日号掲載)      

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