Thursday, 21 November 2024

リースオプションとは? (2013.9.16)

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 1988年9月より現在まで23年間、「不動産Q&A」を連載
カリフォルニアに住む日本人の方々の生活に役立つ情報を、不動産コラムでご紹介しています。不動産売買だけでなく、賃貸に関する大家、テナント側からのご質問や、家の修理に関してのご質問など、皆様のサポートを提供しています。

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リースオプションとは?

 

Q バイヤーからリースオプションという契約方法で購入したいというオファーを受けました。

このリースオプションについて教えてください。
 

 

A リースオプションは、通常のリース契約にテナントがオプションとして購入契約権利を持つという契約です。

契約のプロセスとしては、まずリース契約があり、購入はあくまでオプションとして、前もって将来の売買価格を設定します。

その時期が来て、購入するかどうかを決めるのは、テナント =バイヤー側だけという一方通行の契約であり、オーナー側にはキャンセルする権利がないということを、まず理解することが重要なポイントです。
 

 

リースオプション契約の一般的内容
 

リースオプションの契約を行うときは、まず通常のリース契約書と購入契約書を用意する必要があります。
 

  • 前払い金:購入価格の3~5%
    もしテナントが購入オプションを行わない場合は Non-Refundableとして売主がキープする。
  • 購入価格の設定:数年後の契約価格を前もって設定する。
  • レント価格の設定:平均レント額の15%から25%が購入への積立金として毎月のレントに含まれるケースが多く見られます。この積立金は購入の際に頭金の一部として扱われます。購入オプションが行われない場合はオーナーがキープできます。
  • オプションの決定日:リース期間後、通常2~3年
  • オプションの決定権:バイヤーのみ
  • 契約手続き:リースオプションの契約を結んだ後、賃貸契約が一定期間 (通常2~3年) あります。契約内容によりますが、通常リース期間内、または終了時に、テナントが購入オプションを行う場合は、仮契約、エスクロー期間が始まります。
  • メンテナンスと修理:通常のリース契約と異なり、テナントが物件の維持費やメンテナンスの責任を持つ契約になるケースも多くみられますが、あくまで契約内容次第となります。

 

▲    売主の立場 GOOD
 

  1. バイヤーがオプションを行わない場合は、前払い金をキープできます。
  2. マーケットより高いレント収入を設定でき、月々のローン支払い、固定資産税、火災保険などの支出に充てることができます。この設定は、毎月の赤字が大変なオーナーにとって魅力的になります
  3. 物件の修理費やその他をテナントが賄うという条件を設定することも可能です。

 

▲    売主の立場 BAD
 

  1. 不動産ローンの支払い責任は、引き続きオーナーです。もしマーケットが好転しない場合は、テナントは購入せずに賃貸契約を終了できます。
  2. 不動産市場が上昇した場合、テナントだけがそのEquityを受け取る立場になり、オーナーからの再交渉の権利はありません。
  3. テナントが物件のコンディションをキープするかどうかの保証はありません。

注意点:Non-assignable Clause の条項が不可欠であり、非常に重要です。

この条項はバイヤーが他の人に転売することを認めないという一文です。

この条項により、テナントが他の人にあなたとの契約価格より高い価格で売る別の契約を成立させ、ダブルエスクロー、同時二重契約を行い、その差額の利益 (キャピタルゲイン) を受けることができるというプロセスを認めないことになります。

要するに、大事なキャピタルゲイン利益をリースオプションという形で、テナントに譲る結果になってしまう可能性があるほど、この契約は事前にきちんと確認を行わないと大変だということです。
 

もう一つ大事な点は、必ず購入契約書の内容に注意してから記載することです。
 

 

▲    買主の立場 GOOD
 

  1. 前もって設定した購入価格で契約を行える。
  2. クレジット問題などの理由により、その契約時点で融資を受けられないバイヤーにとって将来的に有利になります。数年後に融資を受けられる体制が整っていれば、購入が可能となるからです。 
  3. 不動産の価値をまず確認してから購入を決めることができるという、バイヤーにはとても有利なオプションとなります。契約期間中にマーケット状況をチェックして、契約価格が妥当かどうか判断した後に購入を決めることができます。もしマーケットが強く、契約価格より上がっていれば購入、下がっていれば購入オプションを選択しないというベストな立場になります。マーケット状況により購入を決めることができるというのは、そのエリア、住宅などのお試し期間を過ぎてから、購入するかどうかの決断が可能ということになり、バイヤーサイドに有利な契約内容です。

 

▲    買主の立場 BAD
 

購入のオプションを行わない場合のみですが、前払い金と毎月の積立金を失います。

 
尚、弊社のレンタルホットラインでは、賃貸に関するご質問をお待ちしております。
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(このコラムではカリフォルニア州不動産の一般的情報を皆様にお伝えしています。各ケースのアドバイスは必ず専門機関にご相談下さい)

(2013年9月16日号掲載)

 

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