Sunday, 06 October 2024

大家とテナント テナントからの質問 (2017.7.16)

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保科 みゆき  Miyuki Hoshina Flavell

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1988年9月より「不動産Q&A」を執筆。

カリフォルニアに住む日本人の方々の生活に役立つ情報を、不動産コラムでご紹介しています。不動産売買だけでなく、賃貸に関する大家、テナント側からのご質問や、家の修理に関してのご質問など、皆様のサポートを提供しています。

ご質問、ご連絡はこちらまで

 

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大家とテナント

テナントからの質問 

 

レンタル物件を借りている方から受けた質問と答えをご紹介します。

それぞれの詳しい情報については、カリフォルニア州のガイドブック DCA landlord tenant guidebook by Department of Consumer Affairs を参照してください。 

 

 

トイレが詰まったので大家に連絡したところ、プラミングの詰まりはテナントの責任と言われました。

どうすればよいでしょうか。

 

プラミングの詰まりは、通常は居住しているテナントの責任範囲となっています。

詰まりを解決する専門業者、Drainage Companyへ依頼するときは、念のため、詰まりの原因を確認しましょう。

詰まりの原因が①庭の木の根などプラミングの外側からのダメージ、②コンドミニアムなど、詰まりがどこから始まったのか判断できない場合など、テナントの責任範囲ではない可能性もあります。

 

 

 

Q レントしている家の暖房が突然壊れました。

修理まで日数が掛かるので、ホテルへ移動しました。ホテル代金を家主に請求することはできますか。

 

A 暖房やプラミングなどの故障で、通常の居住滞在が不可能と判断された場合は、レントの日割り計算分の払い戻しが基本です。

残念ながら、法律上、大家がホテル料金を支払う義務はありません。

 

 

Q 気密性の低い窓のため、雨・粉塵・風が家の中に入りこみ、過去にも大量の雨漏りがあり、今も窓から雨・粉塵が入らないように布でカバーしています。 家主に窓の交換を要求できるでしょうか。

 

A 市のインスペクションなど第3者の検査により、窓の気密性が通常の居住コンディション範囲ではないと判断されれば、大家の義務責任範囲として交換工事をリクエストできます。

 

 

Q 入居時に窓の網戸の修理をリクエストしましたが、放置されたままです。

網戸なしでは、大量の虫が入り込むため窓を開けられず、他の窓の網戸も壊れているため窓が開けられないままです。

 

A レンタルの修理リクエストは、リーズナブルな期間(通常30日内) に行われるのが基本です。

大家が修理をタイムリーに行わないと判断した場合、テナントが修理を行い、修理費をレントから差し引くことも状況によっては許可されています。 

 

 

Q 相当大掛かりな修理工事をするため、家の中が汚れるとのこと。

工事後の掃除は誰がするのか質問したところ、大事なものは自分でカバーしてくれという返事でした。

掃除費用を請求できますか。

 

A 工事による汚れや埃 (ほこり) については、通常、大家側の責任範囲であることを説明し、クリーニング費用をリクエストしましょう。 

 

 

Q 2Fバスルームのトイレから水漏れが発生しました。

修理までは2Fトイレは使用禁止と言われてから約6週間が経過しました。

もう1つのトイレを家族で共有するのはとても不便です。どのように対応すればよいでしょうか。

 

A リーズナブルな期限内に修理が行われない場合の対策を次にまとめてみました。

必ず書式でリクエストの記録を残すようにしましょう。

 

① 修理が行われない場合は、自分で業者を使って修理を行い、修理費をレントから差し引くことを大家に知らせる。

② メンテナンスが行われないのであれば、リース契約を解除する選択も考慮すると大家に知らせる。 

③ 不便な生活期間の分のレンタルのディスカウント調整を求める。

 

 

Q 入居以来、強烈なカビ臭に悩まされ、カビ対策をするよう大家さんへ要望。

根本的なカビ除去はないまま、6年後にクロールスペースに水漏れと、床板の裏側に大量のカビが発見されました。

その後、カビアレルギーになり通院をしています。

通院代、家賃割引などを請求することはできますか。

 

A カビによる健康被害は、近年ホットな話題になっています。

大家の義務として迅速な対応が求めれていますが、個人オーナーの場合は、家主の責任と義務の範囲や限度について詳しくないケースもあります。慰謝料や通院費などを要求する方法を下にまとめてみました。

家のカビ状況を専門会社に調査してもらうこと、また、家のカビによる健康被害を医者が証明することなどが必要です。

 

① スモールクレームコートに訴える。カウンティーにより上限が決まっていますので、ご確認ください。

② 弁護士を通して訴訟を起こす。カビ問題によるテナントの勝訴法廷ケースは証拠次第です。

③ 大家とテナント間で交渉し解決する。

 

賃貸借物件をめぐるランドロードとテナントのトラブルは枚挙にいとまがありません。

トラブル解決には次のサイトが参考になると思います。

100ページ以上にわたる詳細な情報が掲載されています。

この情報を大家とシェアし、より良い解決方法を見つけていただけることを願っています。

 

DCA Landlord Tenant Guide Book by Department of Consumer Affairs, State of California

http://www.dca.ca.gov/publications/

landlordbook/index.shtml

 

 
尚、弊社のレンタルホットラインでは、賃貸に関するご質問をお待ちしております。ご質問、ご連絡はこちらまで

(このコラムではカリフォルニア州不動産の一般的情報を皆様にお伝えしています。各ケースのアドバイスは必ず専門機関にご相談下さい)

(2017年7月16日号掲載)