Friday, 26 July 2024

夏の暑さに要注意 (2012.8.1)

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suzukisan.jpg 鈴木 博美

ドッグトレーナー

2匹のゴールデンレトリバーとの出会いをきっかけに犬の世界に興味を持つ。楽しく、且つ効果のあるトレーニング方法を求めて渡米。ケープ・エイブル・ケーナ イン(Cape-Able-Canine) のドッグトレーナー研修プログラムを終了。現在、ケーナイン・トゥ・ファイブ (Canineto Five) を立ち上げ、日本語によるドッグトレーニングクラスも開講している。幼稚園教諭の経験もある。

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夏の暑さに要注意

今年は久しぶりに夏らしいサンディエゴが続いていますね。

澄みわたる青い空、太陽、そして日陰に入ると心地よい浜風が肌を撫でていきます。

私たちにとってはうれしい夏ですが、犬たちには少し勝手が違うようです。

今回は、そんな夏を安全に乗り切るためのお話をしたいと思います。

熱射病・熱中症は犬にも起こり得る症状で、戸外に出ている時だけ注意すればいいというものではありません。

留守番時など、クレートやサークルなど囲われた場所に犬をとどめる場合、涼しい風の流れと飲み水へのアクセスを確保しましょう。

必要であれば、クーラーや扇風機などを使って温度調節することも考えなければなりません。
 

 

 

危険な場所
 

最も危険な場所は車の中です。

曇っていたと思ったら、すぐに太陽が顔を見せるのもサンディエゴの素晴らしいところですが、「少しの時間だから」と思って犬だけを車内に残し、買い物や用事に出掛けないでください。
 

車内に残された犬は、ストレスもしくは不安から吠えたり、うろうろしたりしています。

この時、体内の熱が過剰に発生し、それらを沈めるために水を飲んだりしますが、車の中ではそれもできません。

車内の温度と体内の温度ともに上昇した場合、一気に脱水症状となり、意識不明の状態に陥ることもあります。

実際に3年前、あるレストランの前に止まっていた車の中にヨークシャテリアがぐったりとしていました。

すでに誰かがアニマルコントロールに電話をしたようで、2〜3分でアニマルコントロールが到着し、すぐに車の窓ガラスを砕いて犬の救出にあたりました。
 

 

 

脱水症状に要注意!
 

また、夏の暑い時間に長時間ドッグパークで過ごす時にも注意が必要です。

犬たちは時間を惜しんで遊びますから、当然、コントロールが効かないこともあります (特に年齢が若ければ若いほど)。

ですから、オーナーがしっかりと「水は飲んでいるかな?」「定期的に日陰に行って休憩しているかな?」と確認してくださいね。

ご自身の犬を見て、止める必要があると思ったら、犬はまだまだ遊びたいようでも我慢させることも大切です (幼稚園に通っている子どもたちと共通する点が多くありますね)。
 

特に小型犬の場合、脱水症状は時間との勝負です。お世話になっている Governor Animal Clinic の Dr. Wurster にお話を伺ったところ、「小型犬の場合、脱水症状が始まって2時間後には死に至るケースが多いね。大型犬では6時間までは大丈夫な子もいるんだけどね。

でも、すべてケースバイケースだから、とにかく脱水症状にならないように注意することが最善の策よ!」とおっしゃってました。

いつでも飲める場所に新鮮な水をたっぷり用意しておきましょう。
 

 

 

夏バテ予防の食事
 

日中の気温の変化が大きかったり、湿度が多いと、やはり犬たちもバテ気味です。

ですから、いつも食べている食事を残したり、全く食べないということもあるでしょう (ラブ・ゴールデンには適応しません!!)。

焼きレバーを少し食べると私たちの体力が回復するのと同じように、犬たちも臓物系を与えられることで免疫力アップにつながります。

日系スーパーで買い求めて、湯がいて与えるのもよし、おやつとしてフリーズドライ化された物を与えるのもよし。

犬の好みに合わせて少しずつ与えましょう。

もちろん、調味料による味付けは一切してはいけません。

また、鶏のネックは消化の良いたんぱく質やビタミンA・B群ナイアシンが豊富で、必須アミノ酸のメチオニンも多く含まれています。

メチオニンは肝臓に脂肪が溜まるのを防ぎます。生 (冷凍ものですが) のネックはもちろん最高ですが、ゴクッと飲み込んでしまう子が多いので、下痢などを心配される場合はフリーズドライ化されたものがいいでしょう。
 

まだまだ日照時間が長い季節。

愛犬との時間を楽しくお過ごしくださいね!!

※ここで紹介する方法はあくまでも一般的なものです。犬の年齢・気質により大きく変化しますので、専門家と相談しながら取り組まれることを推奨します。
(2012年8月1日号掲載)

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