石和田 貴光
保険エージェント
兵庫県神戸市出身。大学卒業後、新聞社系出版社にて教育広報部、営業企画部を経て、2001年8月25日に渡米。2005年10月にイシワダ保険エージェンシーを設立。カリフォルニア全域をカバーし、医療保険、生命保険、各種年金プランやペンションプランを専門とする。医療保険最大手のAnthem Blue Cross社より、カリフォルニア州 Top 1%の業績が称えられ、Premier Partnerとなる。趣味はランニング、読書。
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「足りない」 と向き合う |
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アメリカは深刻な水不足に悩まされていることをご存じでしょうか。
カリフォルニア州は一向に改善されない水不足問題に対し、都市部を中心に25%以上もの節水を命じたそうです。
海を含めた地球上に存在する水で、そのまま飲料として飲める水の割合はなんと1%にも満たないそうです。
節水をすることの重要性や、1人1人が危機感を持って対応できるように指導することは、本当に難しいことのように思えます。
命をつなぐ水問題は、絶対に考えなければいけない問題だと素直に受け入れることができますよね。
では、お金についてはどうでしょうか。
お金の問題は、お金持ちだけの問題ではなく、手元にあるお金では足りないと心配に感じる方ほど、考えなければいけない問題です。
その為に「我々の習慣や行動を変えることは、本当に難しい」のです。
お金の心配が少ない人とお金持ちは別モノ
往々にして、足りない状況が生まれる理由はひとつしかないと思います。
それは「足りなくなることを想定していなかった」に尽きると思います。
逆に言えば、「備えあれば憂いなし」 で、足りなくなった時に慌てる状況を先に想定して、十分に蓄える工夫を重ねることが大切です。
お金に置き換えて考えてみましょう。
面白いことに、① お金に対する心配が少ない人と、② 世間一般に抱かれがちなお金持ちは別モノだということです。
① のタイプの人は、自分が確保している所持金や資産をしっかり把握している上で生活をしています。
つまり、お金を突発的に使うことがないので、来月どうしようといったお金に対する心配が少ない、幸せなタイプにあたります。
② のタイプの人は、仕事などを通じて得られる収入などがなくても暮らしていけるほどのお金や資産を持っている方で、そのお金の使い方が派手なタイプと、慈善事業や社会貢献などに向けられるタイプなど、実に様々です。
② のタイプにあたる人は世界人口の1 %にも満たない訳です。つまり、99%以上である我々は、工夫を重ねて、まずは ① のタイプを目指すべきです。
ウサギか亀か !?
冒頭でも述べた通り、問題解決において最も重要な要素は、解決に向けた意識を高め、確実に解決に向かう行動を起こすことです。
仕事と同じく、お金を積み立てるためには、明確な目標を立てて、それに近づけるように「コツコツと努力を重ねる習慣と行動」を続けることです。
コツコツは、同じことの繰り返しであったり、退屈なことであったりもしますが、どんな魅力的な結果にも基礎があるように、コツコツと基礎を積み重ねることで、その形は大きく形成されていきます。
例えば、「 ① ウサギパターン:一発逆転狙い(宝くじやギャンブルなど)に賭ける人」 と、「 ② 亀パターン:コツコツと努力を重ねる人」 がいるとします。
いつでもどの時代でも、総体的にみて、お金を残す(増やす)のは、「 ② の亀パターン」です。
「 ① の一発逆転パターン」は、投資に対して還元される比率があまりにも低すぎます。
同時に、負けていても、いつかは大きく勝って取り返せるかもといった不確定要素を信じて、さらに負けを量産するといった、悪の循環を繰り返す要素が組み込まれています。
ファイナンス業界では大きく2つに分けて、① 「 ウサギパターン」:株などが主体のアクティブな運用と、② 「亀パターン」:インデックスファンドと呼ばれるファンドの平均値を元に運用されるパッシブ(受動的)な運用が存在します。
リーマンショックで市場が大暴落をした一番の引き金は、 ① の「アクティブファンドによる、株や不動産も全て想定以上に増えていくといった楽観的な考え」によるものだと言われています。
暴落をした後も生き残った投資の中で、プロ中のプロが好んで紹介してきた運用方法は ② の「インデックスファンドを主体とした、その時々の相場に応じた受動的な運用」でした。
もっと分かりやすく言えば、①「 勢いがあって、お調子者」 と②「 目立たないけれど、しっかり者」に例えることができるかもしれません。
どちらも一長一短なのですが、大切なお金の問題解決に向けたプランは、「亀プラン」でしっかり基礎を固めることが先決です。 |
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(2015年8月16日号掲載) | |||