植物標本の異常接写が捉えた怪次元 自然と芸術の境界を曖昧にした写真家
Karl Blossfeldt: Nature in Focus
2023/1/8 (日) まで
Museum of Photographic Arts
https://bit.ly/3Py4prn
ドイツの芸術家、彫刻家、教師としてその生涯の大半を過ごしたカール・ブロスフェルト(1865-1932)は、死の4年前に63歳で初の写真集を出版するまで、写真の貢献が認められることはなかった。
ブロスフェルト(1865-1932)が写真家として評価されるようになったのは、死の4年前、63歳のときに初めて写真集を出版したときだ。
現在では、いわゆるマクロ写真のパイオニアとして知られている。
写真の正式な訓練を受けたことがないブロスフェルトは写真術を学んだわけでもないのに、カメラを改造し、植物の表面を異常なまでに拡大して撮影するという技術を打ち立てた。
その視線は、喜怒哀楽といった感情を含んでいるようには見えず、むしろ、客観的で、はなはだしい冷静さを感じることができるため、機械の視線と言ってもよく、一部の作品ではシュルレアリスム的感覚を引き起こすことすらある。
1900年頃、ブロスフェルトはベルリンの装飾美術館の教材として新鮮な植物を補うために写真の可能性を見出した。
ブロスフェルトの写真は、彼が収集した標本が持つ複雑な自然の形態、質感、物理的な品質を明らかにしている。自然を科学的に研究するものではないが、彼の作品群は自然、科学、芸術の境界を曖昧にしている。
当館では、ブロスフェルトの写真コレクション120点を所蔵している。
展示画像はStacy Keckの提供によるものだ。
◼︎ 入場料:無料。*ドネーションを奨励。随意の金額を寄付することで入館できる。
© Photo by Stacy Keck