Saturday, 21 December 2024

ウィークエンド

 

私は前後の見境なく娯楽に耽溺する「道楽者」ではない (そう思っていた)。そんな自分がボールルームダンス熱に浮かされ、生活の基盤を危うくするほど夢中になってしまい、競技会には必ず出場するというオバカな一時期があった。26歳の時、映画以外に楽しみのないワシントン州東部の小都市で米国生活を始めたが、ウィークエンドが退屈でたまらない。古びたダンススタジオを見つけて「ここはアメリカ。社交ダンスくらい身に付けよう」と思い (その考えがおかしい)、門を叩いたのがマズかった。ワルツのリズムとラテンのシンコペーションの魅力に取り憑 (つ) かれ、週末はもとより週4ペースで足繁く通うことに。州大会で入賞し、インストラクターから才能があるとおだてられ、リズムに乗っただけでなく、調子に乗ったのが命取り。個人レッスンを重ねて、スパンコール付き競技用コスチュームまで特注し、気が付いたら◯万ドルをつぎ込んでいた! スタジオはご高齢の上流階級婦人が集まるサロン的な雰囲気が漂い、パーティーでは男手が足りず、ご婦人方の相手をさせられたが、ホストのボランティアをしていたようなもの。ダンス浪費で生活水準は極貧レベルに転落。安価で大量に買えるワシントン州産コーンとアイダホ州産ポテトが主食になっていた。慚愧 (ざんき) に堪えない日々を過ごしたけれど、そこでダンスパートナーとして出会った女性が妻となる。(SS)
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▽日本の国政・地方選挙の投票日は基本的に日曜日だけど、アメリカでは火曜日と決まっている。これは1845年の連邦法で定められたことらしい。当時のアメリカは日曜日を安息日として休むキリスト教の習慣が定着し、馬車での移動が主だった。月曜日を「選挙の日」にすると、遠隔地の有権者が投票に間に合わないこともあるので、1泊の余裕を持たせて火曜日が選ばれたという。▽知人に仕事の手伝いを頼んだら、シャバットという安息日を理由に断られたことがあった。彼女は敬虔なユダヤ教信者で、土曜日に仕事や世俗的な活動を一切行わず、家族&友人との交流や祈りに時間を費やすという厳格なルールを守っていた。PCやスマホの使用を避け、車の運転や火を使うことも控えるという徹底ぶりで、忙しい日常から離れた特別な時間を大切にしている。▽米農家に始まり、セブン-イレブンを複数経営するまで、私の両親はいつも忙しく働いていた。週末は特に多忙を極めたが、笑い声が響いていた。「どこにも連れて行ってくれないから、作文を書くネタがない」と泣きわめいた私に、祖母が諭した言葉を今でも思い出す。「あんたの両親は、戦争で夢を諦めざるを得なかった。でも、おまえは好きなことをすればいい。家族のために、そして、それぞれの夢や目標を実現するために、私たちは働いているんだよ。仕事や客を大事にすることが、家族を大切にすることになるんだよ」。(NS)
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平日は子供たちの学校スケジュールで朝が早いので、週末は少し遅めに1日をスタートさせる。普段、バナナやシリアルなどの簡単な朝ごはんを食べている子供たちのために、パンケーキやフレンチトースト、ハムエッグなどを作り、掃除機をかけ、洗濯をする。その後の過ごし方は、週によってまちまちだ。のんびり家で過ごす日もあれば、子供たちをプレイデートに連れて行く日、どこかに出かける日、買い物に出る日もある。子供たちに言わせると「週末は短すぎる! あっという間に終わる!」そうだが、私が子供の頃は、休日は日曜と祝日のみだった。土曜も半日ほど授業があったけれど、給食はなかったので、母が会社の昼休みを使って「小僧寿し」や「ほっか弁」、スーパーのお惣菜をお昼ご飯に買ってきてくれた。たまに母が忙しくて帰って来れない時は、自分で袋ラーメンを作って食べた。日曜の朝は母に起こされ、まず家の掃除を手伝うのが日課だった。布団を干し、朝ごはんを食べ、日中は母がドライブやハイキング、買い物、ランチへ連れて行ってくれた。夕方になるとテレビの『サザエさん』と『世界名作劇場』を見て「もう日曜も終わりか。明日からまた学校。。。」と淋しい気分になっていた。まさに「週末は短すぎる! あっという間に終わってしまう!」だった。 (YA)
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suzuko-san
フリーランス、自由業、もしくはリタイア組でない限り、平日は皆働いている。フリータイムはウィークエンドだけ。だから週末だけは、出好きな私が誰かに遊んでもらえる。結婚していた頃は、もちろん夫は平日に働いていたので、どこにも一緒に出かけることなどできない。さぁ、週末が来た。二人で一緒に外出したいと思っていても、夫は「疲れている」の一点張りで出ようとしない。あぁ、つまらん男だ! この国に来たばかりで、そうそう友達がいるわけじゃない。仕方がない。この退屈な週末を埋めてくれる仕事を探そう!とばかりに、日本人補習校に職を求めた。これで退屈が解消される!と意気揚々で勤め始めたものだ。それが離婚して自由な身となり、それなりに友達も増えてくると、皆と会えるウィークエンドに働く? トンでもないよ!と、さっさと辞めてしまった。あぁ、身勝手! 今でも、でき得る限り、誰かに遊んでもらえる機会がある週末は働かない——というポリシーを持ち続けている。前もって予定を埋めるのが大好きな私は、次の週末は誰に遊んでもらおうかと、事前に友達群に連絡を取りまくる。このたゆまぬ努力?のおかげで、大体の週末は平日にはしない、できないことを実行することで、自分では充実した時間を過ごせて満足な生活をしている——と思えるのだ。友達の皆々様、あぁ、感謝!感謝!  (Belle)
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jinnno-san
コロナ渦で覚えたこと・・・週末をバルボアパークで過ごすこと! なんたる健全なあそび! バルボアパークって散歩できるし、屋台が出ているし、大道芸人はいるし、お洒落なレストランもある。こんな近くにステキな公園があるなんて、恵まれてるわー。でも、ここに行く最大のメリットは「お酒を飲んでよい公園」に指定されていること!! しかーし、地元民にもあまり知られていないけど、公共の場なのに隠れ家的な?笑 見逃してしまいそうな? 笑 看板にダマされてはいけません。引っ掛け問題みたいになってるから! 笑。「ここでお酒飲んでいいですよ」とはどこにも書いてござーませーん 笑。よーく読まないと、あきらめて帰ってしまうし、多少英語力が必要かも(これが狙いかな?笑)。「飲んではいけませんよ、◯時から◯時」と書いてある 笑。最初に否定文と来りゃ、心理的にすぐ凹んで、あきらめてしまう 笑。友達のH部長に任せたら「ダメだ、ここでの飲酒はムリ」と引き返そうとしていた。視力の悪いわたしが看板に近づいて読んでみたら「やっぱいいんじゃん!」。そこからはパラダイス!! 笑。何もすることがなければ、バルボアパークで宴会ピクニックが定番! サンディエゴってサイコーの週末が過ごせる、その名の通り America's Finest City だわ! (公園で堂々とお酒が飲めるという理由、だけ 笑)。(りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
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平日は朝4時半に起床し、子供たちのお弁当と朝食を作って、学校へ送るために6時45分に家を出る。帰宅後に自分でコーヒーを入れて少し休んでいると、夫が起きてきて仕事に行く準備をする。夫の出勤を見送ったり、仕事がある時は、ほぼ夫と同時に外へ出るというのが私の平日スケジュール。早朝から子供たちのお弁当を作ることも、学校に送る必要もない土・日曜は大好きだ。いつもより、3時間ほど長く寝ていられるから! 本当にありがたい。子供たちも平日の疲れを取るかのように、朝はゆっくりしている。私が起こさないと昼頃まで寝ている(これは寝すぎだ)。長女には1時間ほど声をかけ続け、最終的には体を揺さぶり、食べ物を顔の周りにチラつかせ、匂いを嗅 (か) がせてみたり、食欲を誘って覚醒させる。やがて10時頃になって、とても不機嫌な顔で起きてくる。次女に関しては、起こそうとして布団に触ると悪魔に変身するので、とりあえず声だけかける。勝手なもので「ショッピングに出かけるから支度して〜」と呼びかけると機嫌よく起きてくる。こんな子供たちでも、成長して、たま〜に朝食を作ってくれるようになった! 簡単なメニューだけど、フレンチトーストにデザート、コーヒーを用意してくれる。誰かに作ってもらう朝食は美味しい。そして幸せ。やっぱり週末っていいね。(SU)

(2024年4月1日号に掲載)