小学校低学年の頃、日本発祥の「行軍将棋」 (別名:軍人将棋) が男児の間で流行していた。流行といっても、オリジナル版は日清・日露戦争に勝利した明治後半に考案され、改定後の昭和初期~戦時中に隆盛をみたボードゲーム。その名残りが昭和40年代前半まで続いた。60代以上の男性ならご存知と思うが、元帥 (王将) を筆頭に大将から少将までの将校駒のほか、大尉、砲兵、工兵、戦車、地雷、スパイなどの駒で対戦する盤上遊戯。敵の元帥を先取するか、総司令部を占領してしまうか、または相手を全滅させた側が勝者となる。駒の正体を伏せて裏返しに配置し、審判役を付けて3人で遊ぶというのがルール。戦後20年も経過していた時代に、そんなゲームが子供の娯楽として玩具店で売られていた事実を考えると、何とも奇異な感じがする。なぜなら「原爆」 という駒も含まれていて、極めて不謹慎な遊びだったのだ。行軍将棋には、サイコロを振ったり、手元に巡ってくるカードによって優劣が左右される “運の要素” が一切なく、駒を伏せてパワーを公開しないという意味では、突発的なスリルとサスペンスに満ちた模擬戦争ゲームと言えた。いつしか、仲間の容貌、性格、風格、印象に最も近い駒の名を選んで呼び合うように−−。なぜか元帥よりスパイと呼ばれると鼻高々だった。その当時の人気No.1流行語。(SS) | |
▽2024年に世界で最も話題となった言葉は「AI Revolution」らしい。人工知能の急速な進化により、さまざまな産業でAIの導入が進み、まさに革命的な変化が起きている。私自身も、仕事の質が大きく変わり、自分の職が脅かされるのではないかと感じている。また、オフィスや自宅に限定されず、自分の好きな場所で働ける「ワークフロムエニウェア(WFA)」や、地球環境への配慮を重視した「サステナブルファッション=Sustainable Fashion」も注目を集めている。確かに、デジタルノマドビザ (リモートワーク滞在許可査証=Digital Nomad Visas) を取得し、世界を旅しながら仕事をしている知人、古着やレンタルを活用している友人も増えた。▽日本では「2024ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート30語が発表された。個人的には、大谷くんが50本塁打/50盗塁を達成した「50-50」を推したい。でも、知らない流行語も多く、少し凹んだ。例えば、Z世代が「仲間」という意味で使う「界隈」、TikTokで流行した「飛び跳ねる猫」の「猫ミーム」、加工なしの写真共有アプリ「BeReal」、昭和世代が共感するタイムスリップドラマ「侍タイムスリッパー」、社会の生きづらさを歌った楽曲「はいよろこんで」などなど。今年はどんな言葉が大賞に輝くだろう。楽しみだ。(NS)
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日本で生活していた頃も流行語には疎かった。アメリカでも流行語やスラングを使いこなすほど英語が上達していないので、やっぱり疎い。ただ、プリティーンの子どもたちは、学校やYouTubeなどでいろいろ覚えてくる。10歳の娘がよく口にするのは「Slay! (スレイ)という「カッコイイ」「素敵」を意味する言葉や、Bestie (ベスティー)という 「親友」を指す表現。Baddie (バディー)という 「魅力的な人」、そしてDelulu (デルル) という「現実離れしている」もある。最初は「?」と戸惑ったが、今ではすっかり慣れてしまった。他にも、Sigma (シグマ) : You're so sigma! 格好いい)、 Skibidi (スキビディ) : クールで面白い、 Rizzler (リズラー) : 自信たっぷりの人、GOAT (ゴート) : 最高、Cap (キャップ) :嘘、 Bet (ベット) : イエス、Crusty (クラスティ) : 散らかった、 Bussin (バシン) :素晴らしい−−などなど。私が子どもの頃、流行語は主にテレビ番組やCMから生まれていた。ところが、今はインターネットがその発信源となり、小学生でさえ、ファッションから所持品まで最新トレンドに詳しいのだから驚くばかりだ。そのうち、娘に
「ママは流行に鈍感ね〜」と言われてしまう日が来るのかもしれない。(YA) |
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今年の漢字、サラリーマン川柳、創作の四字熟語、現代学生百人一首などと並んで、現代の世相を反映する一つの指標として取り上げられている流行語大賞は1984年に創始された、とある。1984年といえば、私が当地に移住する10年前のことだ。ということは、この流行語大賞が設定されて10年は日本に住んでいた訳で、毎年12月発表の流行語大賞に選ばれた言葉は少なからず耳にしていたはず。と思うのに、調べてみても、記憶に残っている言葉に馴染みがない。せいぜいが新人類 (86年)、オバタリアン (89年)、ちびまる子ちゃん (90年)、百歳の双子姉妹 きんさん、ぎんさん (92年) くらいだろうか。以降はサンディエゴ住まいとなった身。現在でこそYouTubeで日本の番組は視聴可能だが、当時は日本の情報を瞬時に得るなどほぼ不可能。その頃に比べると、随分と便利な世の中になったものだ。私は家にいる時は、日本の情報源である動画ニュースを見ながら昼食を取るのが通例。そんな状況下で、渡米以来30年の中で最も印象に残っている流行語大賞に選ばれた言葉といえば、中国人が挙って日本へ買い物に訪れていた現象を語った「爆買い」(15年)。中国人の恐ろしきパワーを見せつけられた社会現象だった。裏を返せば、日本経済発展に貢献?した中国人の皆様、ありがとうございました!。(Belle)
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最近、ニッポンがアメリカで流行っていることを知って驚いた。友達の楽団サイン会で“Shikishi”を持参するよう表示があった! もしかしてコミコンで作家が使ってたから、当地でも広まったのだろうか? (これは私の勝手な想像だけどね!) North Parkのホテルのロビーで、突然、私でも歌詞が分かる曲がBGMとして流れ始めた。なんと1980年代の日本のシティポップ! 耳を疑いながらも、歌詞がすべて理解できてしまい「ウソでしょ?」と心の中で叫んだ。ニッポン大好き!というアメリカ人の知り合いは、驚くなかれ、アメリカ人同士のテキストメッセージをわざわざ日本語で打っているらしい! それを聞いて笑ってしまった。逆に、最近の日本のドラマを観ていると、やたらとカタカナ英語が多くてビックリ。「サステナブル」「インセンティブ」「エビデンス」−−−私の両親や兄弟には全く理解できない単語が飛び交っている。こんな調子だと、そのうち外国人の方がきれいな日本語を話し出すんじゃないか!? アメリカ人の友達とLa Mesaにある珈琲屋さんに行った時のこと。メニュー 「Grilled Cheese Sando」と書かれているのを見て、「Sando?」と尋ねたら「そうよ、日本の“サンド”のこと。今、流行ってるよ」と来たもんだ! これまた驚いた。そこのニッポン人のあなた! お互いにアメリカ人に負けないキレイな日本語を話していこーねー! 笑。(りさ子と彩雲と那月と満星が姪)
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『新語・流行語大賞』 は、その年に活躍した人の名言や、ニュースで話題になった言葉が選ばれているが「本当に流行っていたのかな?」と疑問に思うことがある。自分の記憶を頼りに1990年代の流行語を調べてみた。コギャルの間で流行した言葉「チョベリバ」や「チョべリグ」などはよく覚えている。「超ベリーバッド(very bad)」や「超ベリーグッド(very good)」を略したものだ。私は少しコギャル世代から外れていたため、知っていても使う機会はなかった。「アウト・オブ・眼中」なんていうのもあった。「眼中にない」「問題外」「論外」といった意味が含まれ、興味のない異性に対して使うことが多かったらしい。「ウーロン茶」という言葉も見つけたが、これには驚いた。女性が男性に言い放つ言葉で、「ウザイ(ウー)、ロン毛の(ロン)、茶髪男子(茶)」を指しているらしい。「ナウい」も懐かしいが、これは1979年頃の流行語らしい。4歳だった私が、どういうつもりで使っていたのかは謎のまま。今では死語になっているが、現代風に言い換えると「イケてるね~」「おしゃれだね~」になるという。私はまだうっかり使ってしまいそうだ。時代が変わっても、流行語には独特の面白さがあるものだ。(SU) |
(2024年12月1日号に掲載)