去る2月18日(金)、在ロサンゼルス総領事館は令和3年秋の外国人叙勲伝達式を行い、ジャーナリストでABC7ニュース番組のアンカーであるデイビッド・オノ氏に対して、旭日小綬章を伝達しました。
新型コロナウイルス感染症の影響下、叙勲伝達式は、限られた人数のゲストの方をお招きし、総領事公邸にて行われました。
デイビッド・オノ氏の経歴・表彰理由は以下のとおりです。
南カリフォルニアで最も高い視聴率を持つABC7ニュース番組のアンカーであるデイビッド・オノ氏は、日本および日系米国人に関するさまざまな番組を制作、放映しています。
同氏の作品は、数多くの賞を受賞するなど高い評価を得ており、オノ氏は、ジャーナリストとして、多年にわたり米国における日本の理解促進に多大な貢献をされています。
平成22年、同氏は、日系米国人兵の戦争体験を後世に伝えるゴー・フォー・ブローク全米教育センターの依頼で、第二次世界大戦中に、日系2世兵士達が自国である米国で差別を受けながらも、欧州で米国人として勇敢に戦った姿と彼らの活躍によって解放された現地の人々の感謝の声を伝えるドキュメンタリー「第二次世界大戦の知られざる戦士達」を制作しました。
ABC7の同氏のニュース番組でも放映されたこのドキュメンタリーは、大きな反響を呼び、公共放送PBSネットワークを通じて全米に放映されると共に、エミー賞3賞及び卓越したニュース/報道番組に与えられるジャーナリズム業界で権威ある賞の一つであるエドワード・R・マロー賞を獲得しました。
オノ氏は、平成26年に、ワイオミング州ハートマウンテン近郊にあった日系米国人強制収容所で、当時密かに撮影された2000枚の写真をもとに、日系米国人の強制収容の歴史を伝えるドキュメンタリー「ハートマウンテンの遺産」を制作しました。
強制収容所での困難な生活の様子や、逆境の中で培われた精神力や友情を描いたこの作品は、エドワード・R・ マロー賞を獲得した他、ABC7及びPBSネットワークを通じ全国放映され、強制収容の事実を広く全米に伝えました。
さらに、平成27年にスミソニアン博物館の国立アメリカ歴史博物館で上映されるなど、ほとんど注意が向けられなかった強制収容の歴史を米国人に伝えることに貢献しました。
平成23年、東北の大惨事を知ったオノ氏は、直ちに渡日し、日本の非常事態を全米へ中継しました。
同氏は、1年後に東北を取材し、まだ傷跡が多く残る被災地の復興の様子とまだ被災地では支援が必要であるという現地の声を同人のニュース番組を通じて報じました。
令和3年のジャパン・ハウス ロサンゼルスとLove to Nipponの共催で開催された震災10周年追悼オンライン行事では、同氏はモデレーターを務め、日本と同様に地震の多い南カリフォルニアにおいて、日本での教訓を生かすことの必要性を強調しました。
この追悼行事は、ABC7のウェブサイトでもライブ配信されました。
また、同氏は、広島原爆投下70周年と75周年に、原爆の悲惨さと二度とこのような悲劇が繰り返されてはならないことを伝える映像番組を制作し、自身のニュース番組で報じました。
これらの報道もエミー賞を獲得しました。
オノ氏は、アンカーとして忙しいスケジュールにもかかわらず、年間を通じて司会やスピーカーとして日本関連のイベントに数多く参加し、日系団体やコミュニティの支援にも尽力されています。
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(2022年3月16日号掲載)