Thursday, 21 November 2024

ダルビッシュ、自己最多タイ16勝 粘りの投球、進化する勝負強さ

2022年9月26日

パドレスのダルビッシュ有投手は9月24日、敵地デンバーでのロッキーズ戦に先発登板し、6回/5安打/2失点で、メジャー初年の2012年にマークした自己最多に並ぶ16勝目 (7敗) を挙げた。

チームは9-3で勝った。

パドレスは3カード連続勝ち越しと好調で、地区2位以下の勝率上位3チームが進むワイルドカードシリーズへの出場が濃厚になった。


高地にあるロッキーズの本拠地クアーズ・フィールドは空気抵抗が少なく、打球が飛びやすい上に変化球もあまり動かない。

そんな “打者天国” で先頭バッターに本塁打を浴びながらも、1点差の接戦を凌いで粘り強く投げた。


ダルビッシュ投手は「普通の球場よりもすごく苦しかった」と振り返った。

この球場ではほとんど落ちないというフォークは使わず、「スピン系が良かった」とスライダーの速度変化幅を少しずつ変えて相手を幻惑。

さらに「めちゃくちゃ良くはなかったが、打者が振り遅れていた」という95マイル (約153キロ) 前後の直球も効果的に織り交ぜた。


どんな場面にも対応できる選択肢の多さが勝負強さを支える。

日本ハム時代の最終年に18勝を挙げているが、16勝は大リーグ新人だった10年前の自己最多タイ。

当時はどんどん三振を奪いに行ったが「今は球数を見ながら調整し、長いイニングを投げるスタイル」と、自身の進化ぶりを語った。


時代を代表するような好投手は、長いキャリアの中で年齢や体力などに応じてスタイルを変えていく。

現在のダルビッシュ投手は、その典型例の一つだと言える。


*写真はロッキーズ戦に先発したパドレスのダルビッシュ投手 (9月24日=デンバー・クアーズフィールド)


*Picture:© MLB / San Diego Padres



(2022年10月16日号掲載)