2022年6月25日
カリフォルニア大学サンディエゴ校 (UCSD) ウェアラブル感知機器センターの技術者グループは、従来の指先穿刺 (せんし) 型血糖値測定器に代わる独自のウェアラブルデバイスを開発し、複数のバイオマーカー (生体指標) を同時にモニターするマイクロニードル・センサー「ラボ・オン・ザ・スキン」の実用化に成功した。
UCSDのニュースリリースで報告された。
この超小型のマルチタスク装着機器 (パッチ) を使用すれば、血糖値、アルコール濃度、乳酸値、筋肉疲労度をリアルタイムで連続的に測定できる。
髪の毛の1/5ほどの幅のマイクロニードルを皮膚に貼り付けるだけで、間質液中の生体分子を採取することができ、痛みもない。
1/4サイズのパッチは上腕に装着し、そのデータをスマートフォンのアプリに送信する。
マイクロニードルパッチは使い捨てで、再利用可能な電子ケースは市販のワイヤレス充電パッドを使うことができる。
現在、市販されているグルコースモニターは血糖値のみを測定するが、UCSDのウェアラブルデバイスにはアルコール濃度と乳酸値も表示されるため、糖尿病患者はバイオマーカーに影響を与える追加情報の数値を確認できる。
UCSDのニュースリリースによると、マイクロニードル・センサー・パッチが慢性疾患のモニタリングに使用されるには更なる研究と検証が必要だが、糖尿病患者などの慢性疾患者が旧来の採血方法や臨床検査を必要とせず、自分の健康状態を簡便に監視できる時代になるという。
*イラストはイメージ
(2022年7月16日号掲載)