2022年9月3日
ジョンズ・ホプキンズ大の集計で、世界の新型コロナウイルス感染者が8月26日に累計6億人を超えた。
死者は648万人超。
国別の累計感染者は米国が約9,400万人で最多。
流行「第7波」の勢いが続く日本は1,800万人超で10番目となっている。
2020年3月に世界保健機関 (WHO) が「パンデミック (世界的大流行)」と表明してから2年半が過ぎた。
累計感染者が5億人から6億人に増えるまでに要した日数は136日だった。
4億人から5億人の際には63日、3億人から4億人の際には32日で、感染者増加のペースが鈍化していることが示された。
ただ、検査体制を大幅に縮小している国が多く、WHOは感染の実態が正確に把握できていない可能性が高いと指摘。
オミクロン株派生型「BA.5」の流行も続いており、このまま感染が収束に向かうかどうかは予断を許さない。
今回の集計によると、国別の累計感染者数は米国の次にインドが約4,400万人、フランスが約3,500万人、ブラジルが約3,400万人と続いた。
日本では岸田政権が「感染防止と社会経済活動の両立」を目指す中、8月の死者は月間で最多を記録。
感染者数が減らないまま死者も急増している。
* * * * *
米疾病対策センター (CDC) は9月1日、新型コロナウイルスのオミクロン株に対応したモデルナ製とファイザー製の改良版ワクチンによる追加接種を推奨すると発表した。
流行初期のウイルスと、現在流行の9割近くを占めるオミクロン株派生型BA.5用の成分を混ぜた「2価ワクチン」。
各地で順次、接種が始まる。
米国では食品医薬品局 (FDA) が8月31日に2社の製品の緊急使用を許可。
対象はモデルナ製が18歳以上、ファイザー製が12歳以上で、既に2回以上の接種を終えて2か月以上経過した人。
2億人がこの条件を満たすとみられている。
CDCは今後、さらに低年齢の子どもにも推奨を拡大する方針だ。
2社は、オミクロン株の中で早期に現れたBA.1に対応した製品の開発を先行させており、BA.5対応品は人間に使ったデータがないまま推奨に至った。
モデルナのマウス実験ではBA.5への抵抗力向上が窺 (うかが) われる結果が出た。
ファイザーのマウス実験でも、オミクロン株の派生型に幅広く対抗できる可能性が示された。
* * * * *
サンディエゴ郡当局は9月2日、今月第2週にも新たなCovid-19ブースターが準備できる見通しを発表した。
サンディエゴ郡公衆衛生担当官ウィルマ・ウーテン博士は「準備される2価ワクチンは変異型に直接的に対応できる最新ブースターであり、依然として流行しているウイルスの感染を防ぐ効果的な手段となる。
対象者全員に接種することを勧めたい」と述べた。
接種希望者は、各医療機関から新ブースターの入手情報を得てから myturn.ca.gov で予約を取り、ロケーションを確認できる。
米保健福祉省 (HHSA) が9月2日に公表したデータでは、生後6か月以上のSD郡在住者の301万人以上 (90.2%) が少なくとも部分的にワクチンを接種し、266万人以上 (79.8%) が完全な予防接種を受けた。
また、2,450,225人の有資格者のうち1,445,743人 (59%) がブースター接種を済ませている。
CA州当局の最新データによると、SD郡で入院した感染者は前回のデータより4人減の265人。
その中で集中治療室に搬送された患者は5人減の23人で、病院の空きベッド数は51床減の232床。
SD郡保健福祉課は、9月1日のデータで新規感染者753人と死亡者5人を追加報告し、大流行が始まって以来の累積患者数は912,653人、死亡者数は5,464人に達したと発表。
前週に確認された4,744件の感染に対し、先週は合計3,978件となり、改めて減少傾向が確認された。
SD郡の住民10万人 (12歳以上) 当たりの感染者は、ワクチン接種完了者+ブースター接種者が25.46人、ワクチン接種完了者が17.2人、部分的接種者が50.51人。
*新型コロナ抗原検査キットの普及に伴い、陽性結果が出ても自己申告しないケースが想定され、各政府機関が発表するデータでは「全数把握」に至らないとの疑念もある。
(2022年9月16日号掲載)