2021年10月26日
サンディエゴ統一学区 (SDUSD) は9月下旬、16歳以上の生徒に12月20日までにCovid-19ワクチンの完全接種を済ませることを義務付けた。
従わない生徒は対面授業ではなく、通信教育 (リモート学習) を強いられる。
これを不服とするスクリップスランチ高校の体育会系女子生徒と家族は10月22日、ワクチン接種義務化により宗教的差別が生じるとして、サンディエゴ統一学区と教育委員会を連邦地裁に提訴した。
地元メディアが伝えた。
この生徒は宗教上の信念からワクチン接種を拒否しており、統一学区の決定はアメリカ憲法修正第1条で保障された信教の自由に抵触するというもの。
さらに、彼女はスクリップスランチ高校の「傑出した」スポーツ選手であり、プレーを続けるにはワクチンを接種しなければならず、自身の宗教的信条に反するだけでなく、接種拒否はアスリートの道を断たれる重大な決断になるという。
ある法律アナリストは「(SD統一学区の決定は) 宗教上の免除を全く認めていないことが最大の問題点」と指摘する。
この生徒に対し、信仰を捨てるか、スポーツを放棄するかを迫るのは理不尽とコメントした。
サンディエゴ統一学区の発表によると、例外として医療上の免除は受けられるが、個人的な信念による接種回避は認められていない。
ただし、ホームレス、障害者、軍人家庭、里親など、特定の状況下では対面式学習に条件付きで登録することが可能だとしている。
善意の宗教的な免除を受ける権利も認められるべきというのが原告の主張だ。
(2021年11月16日号掲載)