Friday, 14 March 2025

国際捕鯨委員会

国際捕鯨委員会 (IWC) の年次会合、サンディエゴで開催

2015年度から調査捕鯨再開を目指す日本の評価に注目

2015年6月3日



iwc国際捕鯨委員会 (International Whaling Commission = IWC) 科学委員会の年次会合が5月22日からサンディエゴのマリオット・マーキス・アンド・マリーナで開催された。

この会合では、日本が提出した南極海での調査捕鯨に関する新計画の議論が最大の焦点。

2015年度から南極海での調査捕鯨の再開を目指す日本が一定の評価を得られるかヤマ場を迎える。

日本は昨年3月の国際司法裁判所 (ICJ) 判決で南極海での調査捕鯨中止を命じられ、判決内容を踏まえて新計画を策定した。

新計画では、調査捕鯨の目的をクジラの資源管理に役立つ情報の精度向上と南極海の生態系研究とした。

捕獲対象をミンククジラに絞り、目視調査やクジラの餌であるオキアミの資源量調査を拡充することも盛り込んだ。

科学委員会には日米欧やオーストラリアなどの専門家らが参加。

日本が算定したミンククジラの年間捕獲数333頭が妥当か、科学的な落ち度がないかなどを検証する。

会合は6月3日までで、非公開。

終了して公表内容をまとめるのに2週間前後かかる見通しだ。

科学委員会の議長を務める北門利英・東京海洋大准教授は今回の会合に関し「ICJ判決後に調査計画について本格的議論をする初めての場であり、今後の調査捕鯨が左右されかねない」と重要視する。

北門准教授は「近年は日本の捕鯨に関する主要な議論で科学者間の意見が完全に一致することは少なく、今回も合意に至るのは簡単でない」とも分析する。

国際捕鯨取締条約などの規定では、科学委での検討を経れば、日本は2015年度から調査捕鯨を再開できる。

ただ、政府は「建設的な意見があれば、新計画に取り入れたい」との立場で、今秋をめどに最終的な計画を仕上げる考えだ。


(2015年6月16日号掲載)