Friday, 29 March 2024

エルニーニョを待つサンディエゴ

エルニーニョを待つサンディエゴ、今年の発生確率50%

過去最大級の1997〜98年レベルを予測、恵みの雨は?

2015年6月18日


elnino2015米気象予報センター (CPC) が6月中旬に発表した長期予報によると、今年後半にも「エルニーニョ現象」 の発生が予測されるという。

エルニーニョ現象は赤道付近の東太平洋 (主にペルー海域) で海水温度が2℃前後上昇し、その変化に伴って大気圧の変動を招き (ウォーカー循環)、地球上の各地で多湿、乾燥、暖冬、炎夏などの異常気象を引き起こす。

エルニーニョの影響が強ければ、太平洋上で東から西に吹いている貿易風が弱まり、ジェット気流のルートが南下し、カリフォルニア南部~フロリダに至るサンベルト地帯に例年以上の降雨量をもたらす可能性が高くなる。

一方で、米国北西部からスノーベルト地帯では干ばつと暖冬に見舞われやすくなる。

1997~98年に発生したエルニーニョが過去最大規模と言われ、海水温度が最高5℃まで上昇。

この時、サンディエゴの年間降水量は17.78インチに達し、平均値の10.77インチを大幅に上回った。

2002~03年の現象では平年並み、2004~05年のエルニーニョは小規模ながらサンディエゴの降雨量を22.5インチまで押し上げたが、2006~07年は一転して3.85インチと極端な少雨になるなど、予測が難しいのもこの気象現象の特徴だ。

CPCによると、今年予想されるエルニーニョが1997〜98年レベルに達する確率は50%。


◆ エルニーニョ現象:南米ペルー沖の太平洋赤道海域で海面水温の高い状態が続く現象。

発生の主な原因は、
① 東風の貿易風が弱まって、太平洋の海面では暖かい海水が西に吹き寄せられにくくなり、ペルー沖の水温が上がる。
② ペルー沖では深海からの冷たい海水の涌き上がり弱まると考えられている。

暖水が東に広がることで、海面からの水蒸気で積乱雲が活発に発生する範囲も東寄りに移動し、世界的な異常気象をもたらすとされる。

エルニーニョはスペイン語で 「男の子 (神の子イエス・キリスト)」の意味。


(2015年7月1日号掲載)