Saturday, 18 May 2024

SD国際空港、ターミナル1搭乗施設アップグレードへ

SD国際空港、ターミナル1 搭乗施設アップグレードへ

ターミナル2「グリーンビルド」完成、5年後の旅客便宜改善

2015年9月3日


terminal expantionサンディエゴ国際空港 (リンドバーグ・フィールド) ターミナル2の10ゲート新設 (全ゲート数41)、空港アクセスへの車道分離 (出発/到着別)、セキュリティーライン増設、ターミナル直結の歩道橋建設などを含む「グリーン・ビルド」プロジェクト (総工費10億ドル/約1190億円) が2013年8月に完了し、今後はターミナル1の改造に照準が当てられている。

サンディエゴ郡空港評議会 (SDCRAA) が今秋、ターミナル1を近代的な搭乗施設へアップグレードさせる計画案を採択するという。

サンディエゴ国際空港の統計 (2014年) によると、同空港の年間発着フライト数は約17万便 (1日平均465便/年間空港利用者数1875万人)。

2040年を見据えた推計では年間25万7000便に膨れ上がることから、ターミナル2に続いてターミナル1の拡張・整備を早急に進める必要が声高に叫ばれている。

第1ターミナルの機能的改造を唱える有力案の主な内容は、
① ターミナル1の搭乗ゲートを18から28に増設。

② 第1ターミナルと第2ターミナルを結ぶ連結施設を新設 (乗り継ぎで移動する旅客のために、再度セキュリティーチェックを受けるという煩雑さを解消)。

③ 両ターミナルの南側にそれぞれ駐車場ビルを増設。


空港評議会はターミナル1改造計画の審議を9月中に予定しており、10月にもプロジェクト案の採択を行うとしているが、最大の課題は財源。

有力案の試算が示す総工費は22億ドル (約2600億円) に及ぶ。

2017年春までにカリフォルニア沿岸保全委員会 (CCC) への環境影響報告の提出が義務付けられ、財源確保の目処 (めど) が遅れた場合、着工が2020年以降に先送りされる事態も考えられる。

両ターミナルに隣接するパーキング施設については、カリフォルニア沿岸保全委員会がターミナル2駐車場増設計画 (8200万ドル/約97億円) を8月12日に認可したことから、2017年6月の工事完了を目指している。

計画では既存の1,323台スペースに1,753台分が加えられ、合計3,076台収容可能となる。

駐車料金の収益増が見込まれ、空港利用者の便宜改善とともに、ターミナル1改造計画への一助となるとみられる。

また、サンディエゴ市の開発公社サンディエゴ政府協会 (SANDAG) は、空港に近い Washington St. のサンディエゴ・トロリー・トランジットセンターを主要公共輸送機関の “乗り継ぎ拠点” に改築するという、1億7,000万ドル (約202億円/2035年完成予定) のプロジェクトを発表している。

完成すれば、バス、トロリー、コースター (中距離通勤列車)、アムトラックが利用できる交通の中枢としての役目を発揮することになる。


(2015年9月16日掲載)