「排日土地法」と闘ったサンディエゴの日系人
連邦最高裁での歴史的勝訴から70年
2018年9月24日
サンディエゴの日系人親子が土地所有における平等の権利を主張して争った裁判「大山 vs. カリフォルニア州」 (332 U.S. 633) の連邦最高裁勝訴から9月24日で70年の節目を迎えた。
時代は100年ほど前に遡る。
当時、カリフォルニア州では農業従事の日系移民が急増して「黄禍論」 (おうかろん=黄色人種脅威論) が蔓延し、市民権取得資格を持たない外国人 (標的は日系人) の土地所有を禁じた「カリフォルニア州外国人土地法」 (1913年成立、1920年に厳格化) が施行されていた。
当時30代だった大山嘉次郎さん (1998年没/享年99) はチュラビスタの農地8エーカーを買い取り、長男フレッドさんへの贈与手続きを行った。
出生地主義のアメリカで生まれたフレッドさんは米国市民。
だが、その土地は外国人が米国市民の名を借りた不正購入と判断され、州に没収される。
大山さんは JACL (米国日系市民協会) と ACLU (アメリカ自由人権協会) の支援を得て、農地の返還請求訴訟を起こし、カリフォルニア州最高裁では敗訴したが、1948年に連邦最高裁で権利侵害が認められた。
大山裁判の歴史的な勝訴で人種への権利制限は緩和へと向かい、各種差別法は1950年代以降に姿を消すことになる。
(2018年10月16日号掲載)