新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界保健機関 (WHO) が各国に最高度の警戒を呼び掛ける緊急事態宣言を出してから半年が過ぎた。
この間、感染者は2,000倍超、死者は4,000倍近くに膨れ上がり、感染拡大の勢いは衰えるどころか、依然としてピークすら見えない状態が続いている。
感染の中心地は中国から欧州、米国や中南米に移り、7月10日以降は南北米大陸が感染者、死者の半数以上を占め、増え続けている。
夏を迎えて高温多湿になればインフルエンザのように流行が収まるという季節性は、これまで確認されていない。
8月4日現在、感染者は米国が467万人を超えて世界最多。死者も15万5千人に達した。
トランプ政権のCOVID-19対策調査官デボラ・バークス医師は8月2日、新型コロナ大流行が発生した半年前と比べて、現在の感染拡大の勢いは 「異常」と言うべき新段階 (new phase) を迎えた —— と、CNN-TVを通じて警告を発した。
同医師は、感染流行は都市部を越えて地方にも伝播 (ぱ) し、脅威が広範囲に及んでいる —— と指摘。
夏のバケーションで米国内を移動し、地方で休暇を過ごす人々の行動に深い懸念を示した。
地方には新型ウイルスへの免疫がなく、ワクチンが開発段階にある今こそ、マスク着用の徹底、手指消毒の励行、ソーシャルディスタンスの厳守が求められていると強調した。
CA州の感染者は53万人を突破して全米トップ。
死者はNY州の約3万5千人に次ぐ約1万人。
CA州は7月中に新型コロナ感染による1日の最多死者数を5度更新 (8月3日から直近の2週間を遡った1日平均死者数は121人。7月31日は214人で最多)。
特に、セントラルバレー (州中央部) の8郡が感染率、入院者数ともに他郡を凌ぐペースで急増している。
一方、PCR検査体制の拡充とともに州内の陽性者が増加しているが、2週間単位 (8月3日から直近の14日間) の新規入院者数が−10%、集中治療室 (ICU) 搬送数も−5%減少している。
ニューソム知事は、感染拡大が続いているが “希望の光” も見える —— と語った。
SD郡保健福祉課の統計による郡内の新型コロナ感染状況は次の通り。
8月5日現在、感染者は合計30,864人、入院者2,655人 (8.6%)、集中治療室 (ICU) 搬送666人 (2.2%)、死者578人 (1.9%)。
1日の感染者数は200人台後半~500人台後半で推移している。
8月5日以前2週間の1日当たりの死者数は7月27日の14人をピークに0〜9人の範囲。
上記期間の新規感染率は5.3%と僅かながら減少傾向にある。
新規入院者数は10人台〜30人台。
8月5日の統計では30,864人の感染者のうち20,894人が治癒している (快復率67.7%)。
8月5日に発表された、直近14日間の統計によるSD郡の人口10万人当たりの感染者は105.7人 (1週間前は134.4人)。
CA州が掲げる感染抑制の目標値 (100人) に近づいているが、今後の統計を注視しなければ正しい状況判断は下せない。
(2020年8月16日号掲載)