2022年9月7日
9月を迎えても蒸し暑さで寝苦しい熱帯夜に悩まされ、就寝中にエアコンを稼動させている家庭も多かった。
今月上旬にはサンディエゴ郡の沿岸地域でも90℉ (32℃) 以上の真夏日が連日のように続いた。
この熱波はモンスーン気候の影響かもしれない。
モンスーンの原理は海陸風と同じ。
内陸は暖まりやすく冷えやすい一方、海洋は暖まりにくく冷えにくい。
夏季は内陸の空気が熱されて上昇気流を生じ、それに反応して海洋から内陸へ向かって季節風が吹き込む。
逆に、冬季は海洋が内陸より暖かくなるので、逆方向へ季節風が吹く。
海陸風は昼と夜で風向きが変わり、季節風は夏と冬で風向きが変わる。
サンディエゴのモンスーン期は早ければ7月から始まり、8月と9月に現象が顕著となるが、今年は山間部や砂漠に集中する雨や雷雨が目立っており、沿岸部の降雨量は微量のままだ。
国立気象局 (NWS) サンディエゴ支部の気象予報士、アレックス・ターディ氏は「内陸部で極度の酷暑を記録するフェニックスやラスベガスでは時間とともに気温が上昇し、メキシコからの湿気を運ぶ風向きや気象パターンが変化する “沸点” のような働きをする」と説明する。
「2年前のように短期間だけ集約される年もあるが、昨年、今年と2年続きで大きな変化が見られる」とも語った。
さらに、ターディ氏は「カリフォルニアでは2年前と同様に干ばつが広範囲に及び、今年の冬も、豊富な降雨量が期待できないラニーニャ現象が再び予想される」と述べた。
カリフォルニア州にラニーニャの冬シーズンが到来すれば3年連続となる。
州内の多地域で極端な干ばつ状態のまま冬を迎えると、火災シーズンが長引く恐れがある。
(2022年9月16日号掲載)