Saturday, 07 September 2024

CA州で Covid-19、Flu、RSV の三大流行懸念 CDC所長、ホリデー期間のマスク着用復活を勧告

2022年12月7日

この冬、カリフォルニア州では新型コロナ季節性インフルエンザRSV急性呼吸器感染症三大流行が懸念され、米疾病対策予防センター (CDC) 所長ロッシェルウォレンスキー博士は12月5日、記者団との電話会談で、ホリデーシーズンを迎えて家族や友人が集まる機会が増えることから、マスク着用を復活すべきと発言した。


CA州では新型コロナウイルスの症例が秋口に急減し、マスク着用の指導が緩和され、医療機関や老人ホームなど感染リスクの高い場所を除いて、ほとんどの公共の場で顔を覆う人々の姿が少なくなった。


州内では11月下旬から12月上旬にかけてCOVID-19の感染者が再び急増し、ロサンゼルスなど一部の地域では、年内に室内マスクの着用義務化を戻す可能性が現実味を帯びてきた。

LA郡の1日の新規感染者数は2021年冬の急増以来の水準に匹敵する勢いだ。

12月6日の統計で、同郡は5,000人以上の新規症例を報告しており、11月中旬の州全体の1日平均と肩を並べている。


サンフランシスコを中心とするベイエリアでも、保健当局が新型コロナ症例数の増加を警告。


サンディエゴの新型コロナ症例は10月に記録した7,482例を超えて、11月の1か月間で10,000例を突破したとみられる。

また、インフルエンザ患者は11月第5週~12月第1週の統計で2,694人に達し、11月第4週の2,375人から200人ほど増加した。

SD郡保健福祉課の統計では合計12,946件のインフルエンザ患者を記録。

昨年の同時期は424件に留まっていた。


CA州の3大都市圏ではCOVID-19、RSV、季節性インフルエンザ感染の急増が目立つにもかかわらず、ワクチン接種率が伸び悩んでおり、マスク着用こそが身を守る最善の方法であると、CDC所長は強調している。


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日本は新型コロナウイルスの新規感染者数が10万人前後の日が続き、流行「第8波」入りしたとみられる中、厚生労働省に対策を助言する専門家組織が11月17日に会合を開いて「高齢者の感染者数が増加し、重症者数と死者数も増加傾向にある」とする分析をまとめた。

脇田隆字 (わきた・たかじ) 座長は記者会見で、オミクロン株派生型「BA.5」が主流となっている現在の流行ピークが年内にも到来する可能性に言及している。


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日本ではBA.5対応のワクチン接種後に男性が死亡するショッキングな事例に注目が集まった。

東京都青梅市は11月18日、新型コロナウイルスワクチンの集団接種で、70代男性がオミクロン株派生型BA.5対応ワクチンを受けた直後に体調が急変し、死亡したと発表。

接種が行われたのは11月13日。

この男性には基礎疾患があり、接種と死亡の因果関係は不明としている。


青梅市当局によると、使用されたのは米ファイザー製2価ワクチン

警察による解剖の結果、アナフィラキシー (重いアレルギー反応) の可能性は低いという所見だった。


男性は接種後に15分を予定する経過観察に入り、会場で待機していたが、体の違和感を訴え、車椅子で救護室に搬送された。

既に意識はなく、心肺停止状態になった。

現場の医師や看護師が心臓マッサージや酸素吸入などの救命措置を取ったが、搬送先の病院で死亡が確認された。

接種は5回目だったという。


青梅市などが接種との因果関係や現場での対応を検証すると表明したが、12月7日現在、依然として接種と死亡の因果関係は確定されていない


この事例の影響で、2価ワクチン接種に対して強い抵抗感を示す否定派が増加する可能性がある。



(2022年12月16日号掲載)