フォールコナーSD市長、5回目の年頭施政方針演説
喫緊の課題は住宅事情、ホームレス、再生可能エネルギー
2019年1月16日
© The City of San Diego |
ケヴィン・フォールコナー第36代サンディエゴ市長は1月15日午後6時過ぎから34分間、就任後5回目となる年頭施政方針演説をダウンタウンのバルボアシアターで行った。
演説はサンディエゴ市の公式ホームページからのネット中継のほか、地元ケーブルTVでもライブで放送された。
任期2年を残すフォールコナー市長は、最優先事項に掲げる喫緊の課題として、住宅事情改善、ホームレス救済策、再生可能エネルギー推進を挙げた。
市長は、サンディエゴ市の不動産価格が極端な高騰を続け、市民の多くが自宅購入の夢を断念せざるを得ない実状に触れ、低所得者向け廉価住宅の建設促進を積極的に進めると宣言。
実現に向けて建築コスト低減を目指し、建設業者に対しては「適正価格住宅」 へのインセンティブを高めていくと約束した。
ホームレス救済策については、車内で路上生活を強いられている人々を対象に、駐車場の開放を増加する計画を示した。
今年、ダウンタウンにオープンする予定のナビゲーションセンター (支援施設) や、居住地のない人々の所有物を安全に保管する倉庫の増設も約束した。
環境保全については、昨年10月に発表した「再生可能エネルギー100%代替プラン」を踏まえ、地球温暖化対策/温室効果ガス削減を目指し、サンディエゴ市全体が風力/太陽エネルギー発電に完全移行するビジョンを強調した。
さらに市長は、サンディエゴ市内で交通事故が頻発する約30か所の “危険な交差点” を指定し、歩行者とバイカーの安全確保に向けた信号増設や道路改修を手掛けると語った。
道路改修については市長就任時に予算を大幅に増額しており、今後も継続するという。
世界的なポップカルチャーの人気祭典「コミコン」が2021年までサンディエゴ コンベンションセンターで開催される。
その後もサンディエゴが開催都市に踏みとどまるにはコンベンションセンターの拡張が必須条件とされ、市長も実現に意欲を見せてきた。
だが、増築財源となるホテル税 (宿泊税) アップの是非を問う住民投票が延期を余儀なくされている。
市長は施政方針演説で住民投票の実施時期について明言しなかったが、来年 (2020年) 3月または11月のいずれかに照準を合わせているとみられる。
また市長は、サンディエゴトロリー (MTS) のサンディエゴ国際空港までの延伸プランについて、有識者で構成される委員会を立ち上げ、計画の具現化を進めていくことを約束した。
昨年の中間選挙でサンディエゴ市議会は民主6、共和3の勢力図となり、民主党の絶対多数を前に、フォールコナー市長 (共和) の残り2年の市政運営は前途多難が予想される。
(2019年2月1日号掲載)