2022年7月16日
7月15日午後10時を過ぎた頃、サンディエゴを含む南カリフォルニアの各地から、一筋の閃光を目撃したという報告が報道機関に数多く寄せられた。
米国流星学会 (AMS) にも、同じ時間帯にサンディエゴ、ロサンゼルス、オレンジ、リバーサイドの各郡から、目映い光の正体を知りたいとの問い合わせが数十件殺到した。
SD郡ではイーストカウンティからの目撃証言が集中した。
中でも、誰かが独立記念日に残った花火を打ち上げたと思ったが、光の出現が長く続いたので、何か違うものと確信した――というコメントが多かった。
超常現象などに関する情報発信社グレート・レイクス・ステークス (GLS) の調査報告書によると、カリフォルニア州はUFO遭遇と思われる体験レポートが全米50州中最多で、サンディエゴはロサンゼルスに次いで2番目に多い超常現象の目撃例が寄せられている。
6月27日にはサンディエゴ沖上空に浮かぶ奇妙な複数の光が出現。
米海軍による「閃光弾訓練」の光源と推測されたが、地元のノースアイランド海軍航空基地がこれを否定。
正体は謎に包まれたままだ。
7月15日の火球出現にも好奇の視線が注がれたが、その正体はミステリアスではなさそうだ。
AMSの見解では、隕石の破片や流星が大気圏突入後に発火し、夜空に明るく燃える火球になった可能性が高いとのこと。
火球の目撃は珍しくなく、毎日、世界中で何百件と発生しているが、今回のような明確な目撃例は稀 (まれ) だという。
この日は晴天に恵まれ、気温も高く、夕刻という時間帯で視界も良く、火球が目撃しやすい条件が揃っていた。
7~8月はペルセウス座流星群とやぎ座α (アルファ) 流星群という、2つの活発な “流星シャワー” が火球の目撃例の原因になる可能性があるが、AMSによると、住民が火球を目にした時刻には、南西の空では流星活動が起きていなかった。
*写真はイメージ
(2022年8月1日号掲載)