Thursday, 28 March 2024

SD前市長在任中の不動産取引 市職員オフィス購入の監査報告

2021年7月26日

第36代サンディエゴ市長ケビン・フォールコナー氏の在任期間中 (2014~20年) に、市の資産としての不動産購入に数億ドルを費やす際十分な精査と適正評価が行われなかった疑いが監査報告で浮上した。

7月下旬に地元メディアが伝えた監査法人による報告書は、フォールコナー市政の下で進められた総額2億3,000万ドル (約253億円) に及ぶ4つの不動産取引について調査したもの。

監査官は「(フォールコナー前市長の) 不徹底な政策と指揮監督の著しい欠如により、市側は買収プロセスの詳細を見逃したり、不当に簡略化した可能性があった」と指摘し、フォールコナー市政の「重大な過誤」として批判している。

この監査では、サンディエゴ市が市職員の統合オフィスとして使用するために購入したダウンタウンのビルディング  (Ash St.) に焦点が当てられている。

報告によると、この建物内に悪性中皮腫や肺がんなどの健康障害を引き起こす危険性のあるアスベスト (石綿) が発見された後、市はこのビルディングを数週間しか使用しなかったという。

また、この建物を含む2つの物件の売買契約書には署名がなく、サンディゴ市側から売主が受けた経済的利益も不透明であり、不当性が潜んでいる疑念にも言及している。

フォールコナー氏 (共和党) は9月に実施されるギャビン・ニューサム知事 (民主党) のリコール選挙に出馬する。

6年9か月間執務したサンディエゴ市政の成功と実績を強調するなど、GDP3兆ドル強 (約330兆円) の経済規模を持つカリフォルニア州を率いる自信を示してキャンペーンを展開中。

しかし、共和党のライバル候補は監査報告をフォールコナー氏の政治的問題として糾弾しており、攻撃の矛先 (ほこさき) を収める気配はない。


*イラストはイメージ


(2021年8月16号掲載)